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中央区の200年前、江戸の町並みが広がっていた。

[小江戸板橋] 2010年11月19日 18:00

「これは何だ。」

目の前にズズズイーッとつながる作品を前に、息をのみます。

今から200年ほど前。1805年(文化2年)の江戸の町並みを活写した絵巻。

『熙代勝覧(きだいしょうらん)』です。

 

華のお江戸の中心地、神田今川橋から、遠くに富士を望む日本橋までの大通り。

重なり合う町屋、行きかう人々のざわめき、通りの喧騒。

生活の匂いまで、グッと伝わってくるようです。

緻密な大通りの描写が、絵巻物ならではの長大な空間に広がっています。

 

この絵巻は、ベルリンの国立アジア美術館に収蔵されており、実物の1.4倍に拡大された複製が展示されているのです。

ところは日本橋三越前コンコース。地下鉄銀座線及び半蔵門線「三越前駅」改札口の直ぐそば。地上出入口番号でいうと、A3とA5の間です。

 

「この迫力は何だ。」

文化2年の、時の将軍は徳川家斉公。

江戸文化の爛熟期といえる、文化・文政の輝けるシーン。

圧倒的な人の流れ。今に残る老舗の数々。

描かれた人々の、その表情や仕草に、つい引き込まれます。

いつしか江戸の町の、華やぎの中を歩いているような気分。

 

動物も、犬、猫、馬、牛をはじめ、猿が1匹、鷹が2羽描かれています。

絵巻を見る手がかりに、猿と鷹から捜してみてはいかがでしょう。

 

地上へ戻り、200年後の町並みを眺めてみます。

日本橋からJR神田駅方面に向けて、中央通りを歩きます。

今川橋は、かつての竜閑川が埋め立てられているため、現在は存在しません。

その代わり、HONMA GOLFさんの前に『今川橋由来記』が設けられています。

ここから、日本橋方面を振り返って見ましょう。

絵巻の中を歩いた目には、町の風景がどんな印象に映るでしょうか。