「浜離宮恩賜庭園」では1月2日、江戸時代の将軍家お抱えの鷹匠の集団の一つと云われる<諏訪流>放鷹術の実演が行われた。
恒例となった正月開園の目玉イベント。
この地はそもそもは将軍家の鷹狩り場で、一面の芦原だったと云われ、今でも新銭座・庚申堂の二つの「鴨場」の施設が残されている江戸時代の代表的大名庭園。鴨猟の際、網で捕らえ損ねた鴨を捕獲するため鷹匠が腕をふるったと云う。明治期に入っても、「古技保存」の観点から宮内省の鴨場として鷹狩りの文化を受け継いできたが、現在放鷹術は民間の有志の手で守られているのみ。それを披露し、日本の伝統文化や稀少な猛禽類の保護に関心をもって貰おうと企画されたものと聞く。
初夢に見ると縁起がいいものとして「一富士二鷹三茄子」というが、実物の鷹を目の当たりにでき縁起がよく、正月気分に浸れる催し物である。
鷹匠が鷹を掌にのせ見物人の前をぐるぐると回る「輪廻り」を皮切りに鷹匠が整列して挨拶と全員の紹介。鷹匠と門下生は衣装も違う。
次いで、鷹匠の掌から別の鷹匠の掌へ飛び移らせる「振替」、樹の枝と鷹匠の掌を行き来させる「渡り」、細紐をつけた鳩を振り樹上あるいは他の鷹匠の掌から鷹を呼び寄せる「振り鳩」等の実演のあと、見物人の鷹狩体験。
最後は隼が地上の鳩を確認し、電通ビルの屋上から急降下して捕獲するメインイベント。
しばらくは上空を旋回したのち、降りるときは正に急降下、見事に鳩を捕獲。