そう、富士山ですね。
ではその高さは?
これも皆さんご存知でしょう、3776m。「皆なろう(3776)」と覚えましたね。
ちなみに、スカイツリーの高さは武蔵(634m)と覚えるそうです。
では、富士山の高さはどこを基準にしているのでしょう?
はい、その通り。千代田区永田町1-1にある「日本水準原点」です。
最後にもうひとつ。その日本水準原点はいつ、どこを基準に設置されたのでしょうか。
これはちょっと通(ツウ)でないとわからないかもしれません。
答えは「明治24年(1891年)、霊巌島水位観測所を基準にして」でした。
というわけで、今日のテーマは霊巌島水位観測所です。
明治6年(1873年)、主要河川の河口水位を測るための量水標のひとつとして、霊巌島に水位観測所が設置されました。それから明治12年(1879年)までの6年間、4ヶ月間の欠測を除いて毎日ここで満潮時と干潮時の水位を観測し、そのデータを基にして東京湾平均海面、すなわち全国の高さの基準を定めました。
その後明治24年(1891年)、千代田区永田町に日本水準原点を設置するにあたり、霊巌島水位観測所から原点まで水準測量を行い、その高さ24.5000mを基準点としたのだそうです(注1)。
霊巌島水位観測所はまさに日本の近代測量の礎と言えるでしょう。
霊巌島水位観測所は今も工事計画等の基礎データの観測に使用されています(注2)。また、隅田川テラスの護岸工事に伴い、平成6年(1994年)、元の場所から36m下流に移設されました。
中央大橋から撮影した現在の霊巌島水位観測所
観測室は、川に沿って視点を動かしていくと、正方形、正六角形、八角形とかたちが変化して見えるように作られています
(注1)関東大震災による地殻変動があったため、昭和3年(1928年)、24.4140mに改定されました。
(注2)東京湾の埋め立て等により、霊巌島観測所は水準原点の検証に理想的な場所ではなくなったため、現在では神奈川県三崎の油壺観測所で水準原点の検証を行っています。
日本水準原点と霊巌島水位観測所の詳しい歴史については、現地の案内板↓や国土交通省国土地理院のサイトをご参照下さい(写真をクリックすると拡大できます)。
さて、今日の水位は・・・?
また、霊巌島水位観測所からやや上流、中央大橋と隅田川テラスを結ぶ階段を上ったところには「一等水準点・交無号」があります。
日本の道路網の「出発点」である道路元票が日本橋にあることは有名ですが、
全国の山や土地の高さの「出発点」もここ中央区にあったのですね。