中央区立郷土天文館主催の春の文化財めぐり「近代橋梁の宝庫~
20人ほどの参加者は午前9時半、郷土天文館に集まり、案内役の伊東孝教授(日本大学理工学部社会交通工学科)から事前講義を受け、勝鬨橋へ歩く。重要文化財指定された橋のひとつで、開閉はどうなるのか、の話題が出る。バス移動で釆女橋に着く。かつて築地川、いま高速道路上に架かるアーチ橋だ。三原橋から三十間堀跡をたどるここは、戦後の瓦礫で埋め立てられた。新橋跡を経て、午前のコースを終える。
大正12年(1923)9月関東大震災発生後の復興事業は、多額の資本を投じ、昭和5年(1930)まで約7年間続けられた、という。中央区内でも、この事業で施工された橋のいくつかは、いまも現役として立派に役割を果たし、さらに近代橋梁として文化財登録されているのには感動する。復興事業で開通した道路は今日の都市機能に生かされている。関東大震災・東京大空襲と壊滅した苦難を当時の人々は克服して、現在の町が成り立っていることを忘れてはならない。
東日本大震災で被災された都市も、日本が総力を結集して復旧から復興をめざす。長い道のりであろうが、防災に強い都市計画を進めて、必ずや、これまで以上によりよい都市再建ができることを願ってやまない。がんばろう東北!