中央区観光協会オフィシャルブログ

中央区観光協会特派員ブログ

中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

執筆者一覧

>>このブログについて

最近のブログ記事

◆文化財めぐり 「近代橋梁をたずねる」 3/26 ~関東大震災復興事業の足跡 東北再建への希望を願う~

[巻渕彰/写楽さい] 2011年3月28日 09:00

中央区立郷土天文館主催の春の文化財めぐり「近代橋梁の宝庫~中央区の橋をたずねる」が3月26日(土)に開催された。特に今回は大震災後の復興を見つめ直す機会にもなった、といえよう。

 

20人ほどの参加者は午前9時半、郷土天文館に集まり、案内役の伊東孝教授(日本大学理工学部社会交通工学科)から事前講義を受け、勝鬨橋へ歩く。重要文化財指定された橋のひとつで、開閉はどうなるのか、の話題が出る。バス移動で釆女橋に着く。かつて築地川、いま高速道路上に架かるアーチ橋だ。三原橋から三十間堀跡をたどるここは、戦後の瓦礫で埋め立てられた。新橋跡を経て、午前のコースを終える。

 

0913_291_110326hashimeguri.jpg午後はバスで新常盤橋へ。常磐橋、常盤橋、一石橋など日本橋川に沿って歩き、日本橋に着く。きれいにお化粧直しされ、架橋100周年を祝う行事も、こんどの東日本大震災で自粛のようだ。昭和通りを先に進むが、この道路は関東大震災復興事業で新設されたもの。やがて浅草橋から柳橋へ。永代橋をモデルにしたこの橋をはじめ、隅田川に架かる両国橋から下流には復興事業の橋が続く。万年橋(江東区)側から清洲橋を眺める。豊海橋、永代橋(写真:震災復興事業で架けられ、当時は帝都の門といわれた隅田川の第一橋)をめぐり、最終目的地の南高橋へ向かう。100年以上前に架けられた旧両国橋の一部を利用したリユース橋とは興味深い。この日は晴天だが、肌寒い風が強い。桜のつぼみは暖かい春を待っている。午後4時過ぎ郷土天文館に戻り、一日の行程を終えた。

 

大正12年(1923)9月関東大震災発生後の復興事業は、多額の資本を投じ、昭和5年(1930)まで約7年間続けられた、という。中央区内でも、この事業で施工された橋のいくつかは、いまも現役として立派に役割を果たし、さらに近代橋梁として文化財登録されているのには感動する。復興事業で開通した道路は今日の都市機能に生かされている。関東大震災・東京大空襲と壊滅した苦難を当時の人々は克服して、現在の町が成り立っていることを忘れてはならない。

 

東日本大震災で被災された都市も、日本が総力を結集して復旧から復興をめざす。長い道のりであろうが、防災に強い都市計画を進めて、必ずや、これまで以上によりよい都市再建ができることを願ってやまない。がんばろう東北!