6日演舞場昼の部へ。GWの谷間ということもあり比較的ゆったり、8割程度の入り。振り替えとなった震災4日後の3月は流石に空席が目立ったが、4月は7割程度に回復。少しずつ「日常」が戻ってきたようで安堵する。
今月昼の演し物は「敵討天下茶屋聚」の通し。
安達元右衛門と東間三郎右衛門の二役を幸四郎丈がともに初役で演じるのがウリ。この二役を一人で演じるのは天保年間に4代目大谷友右衛門が演じて以来とか。歌舞伎狂言には元々敵討ちものが多いがそれにしても今年は特に目立つ。
2月松竹座は「昼夜の仇討」のキャッチで「毛谷村」と「盟三五大切」、3月の国立は「絵本合法衢」(震災の影響で15日から中止になったのは本当に残念)、そして今月の「天下茶屋聚」東京での上演は平成13年の国立以来10年ぶり。江戸時代に大坂の天下茶屋で実際に起こった敵討ちを題材にしたもので、敵討ちの善人側がどんどん返り討ちに遭いどうなることかとはらはらさせられる。悪人が改心して善人にという「もどり」は多いのだが、元は善人の元右衛門が酒癖の悪さから悪人側に寝返るという趣向が珍しい。。幸四郎さんが気の弱い小悪党の元右衛門と立敵の三郎右衛門の魅力的な悪人をとても初役とは思えない程余裕で演じている。オススメです。
さて、歌舞伎の幕間。長い幕間は食事時間、短い幕間は売店を覗く方が多いと思います。
私のこの日の食事は2F「かべす」(菓子、弁当、寿司の頭文字をとった物で江戸時代はこのセットで幕間に届けられたとか)で天ぷらそば(1300円)。
20分の幕間で1Fのコーヒーを片手にいつも季節感あふれるディスプレイがされている2Fエスカレーターを上がったコーナーへ。
今月は「扇子と団扇」。鳥獣戯画、松林図屏風をデザインした扇子(3500円)と日本橋榛原特製の「うちは」小ぶりの「うちは小町」(1000円)もカワイイ。歌舞伎座のあの縁日を思わせる売店のざわめきと賑わいはない替わりにしっとりと落ち着いた演舞場の売店の良さもなかなかです。
帰りに1F売店で清月堂本店の季節限定「おとし文」の「新茶仕立て萌」(4個入り530円)と神宗の「塩昆布840円。東京でいつも手に入るのはここだけです!)を購入。今日は名物の「アイスモナカ」(300円)と3Fの売店にある「鯛やき」(200円)は賞味できず。夜の部と併せて来週のお楽しみ。
「本日の昼狂言はこれ切り」