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立原道造ここに学ぶ

[北遊人] 2011年5月19日 10:36

日本橋久松町にある"久松小学校"の正面左の植え込みの中に説明板が立っています。

開校135周年記念に際し建てられたようです。


Hanami 207.JPG  Hanami 208.JPG


 説明文を紹介します。

 

立原道造ここに学ぶ


 日本の代表的な抒情詩人の一人、立原道造(たちはらみちぞう)は、本校を昭和2年に卒業しました。生家は橘町(現、東日本橋3丁目)で荷造り用の木箱を製造していました。

 幼くして父を失いますが、母、登免、2歳下の弟、達夫(本校卒)とともに慈愛に満ちた幼年期を過ごし、小学校時代は6年間を首席で通しました。

 やがて、絵画、音楽、短歌、天文など幅広い分野に関心が向き始め、府立三中,一高、東大と進むうち、その創造的な才能が開花して行きます。

 大学では建築学科に入り、成績優秀者に与えられる辰野金吾賞(*)を、在学中三度も受賞しました。 その一方、室生犀星、堀辰雄らと交流を深め、文芸誌"四季"を舞台に、ソネット形式(14行詩)に独自の世界を構築しました。

 わずか24年の短い生涯でしたが、草や木や、鳥や雲にも繊細な筆が及んで、いまもなお多くの人々の心を捉えています。

* 辰野金吾は、東京駅舎、日本銀行などの設計で知られる。

  平成19年11月17日

    母校開校135周年記念式典を祝って

                   久松小学校校友会

                                         久松小学校松友会

とあります。

 また、彼の詩が記されています。

 紹介します。

      

     夢みたものは・・・・・・

 

   夢みたものは ひとつの幸福

   ねがったものは ひとつの愛

   山なみのあちらにも しずかな村がある

   明るい日曜日の 青い空がある

 

   日傘をさした 田舎の娘らが

   着かざつて 唄をうたつている

   大きなまるい輪をかいて

   田舎の娘らが 踊ををどつている

 

   告げて うたつているのは

   青い翼の一羽の 小鳥

   低い枝で うたつている

 

   夢みたものは ひとつの愛

   ねがつたものは ひとつの幸福

   それらはすべてここに ある と

 

 ちなみに、本郷にあった"立原道造記念館"は昨年9月末閉館したとのことです。

資料は、長野県上田市の信濃デッサン館に一括して託されたそうです。

 

 久松小学校は、明治6年の開校の歴史ある学校です。

開校に際し、旧松山藩主、久松定謨(伯爵)氏から大金の寄付があったとのエピソードがあります。

愛媛県松山市の番町小学校と交流されているとのことです。

小説、"坂の上の雲"にも出てきますが、秋山兄弟、正岡子規など浜町の旧藩主、久松邸に世話になっています。

近くに参りましたら探してみてください。