中央区は〝水の都〟です。
川や運河は埋め立てられてかなり減ってしまいましたが、それでも水に囲まれた町ですね。さらに、海に面していることから、〝シーサイドタウン〟としての性格も有しています。
梅雨空のある日、〔豊海水産埠頭〕の方面に歩いてみました。
水産会社の建物がたくさん見られるこの地域は、東京の食生活を支える役目を果たしています。冷凍倉庫が並ぶなかで聞いた話では、今夏の節電のなかで電力量をどう確保するかがけっこう大きな課題なのだそうです。
さらに歩を進めると、大きなトラックが行き交うのを見ました。ナンバープレートに目をやると、〔岩手県・宮古港〕とありました。
大震災で被害を受けた地域の物資がこうやって東京に届いているかと思うと何だかほっとします。
そのまま豊海町の先端まで歩いて見ます。ここまで来ると、見晴らしが一気に広がって、レインボーブリッジや対岸の竹芝桟橋も一望できます。
潮の香りに誘われて、しばし岸壁にたたずみ、波のリズムに身を委ねてみました。
岸に繋留されているのは、東京海洋大学所属の練習船〔海鷹丸〕です。
かつて海軍の特務艦として使われていたものを戦後改造したそうですが、りりしい姿が東京湾によく映えています。
〝港町〟中央区の素顔をたまに訪ねてみませんか。新たな魅力に気づくと思います。