暑い日が続いています。梅雨明けしたばかりで本格的な暑さはこれからですが、もう少々夏バテ気味の方も多いのではないでしょうか。そんな方に美味しくてヘルシーな「薬膳中華」は如何でしょう。
「薬膳」は元々中国では「煎薬を配膳する」意味でしかなかったようで、現在のような「漢方薬の材料を使った中国料理。健康保持のための食事として中国の医食同源の考えから生まれたもの」(大辞泉)と一般的に認知されるようになったのはそんなに古いことではなく「薬膳」という言葉を用いて1985年に銀座にオープンした「星福」(シンフー)が最初のようです。この時の総料理長がこのお店のオーナーシェフ黎さん。現在の黎花は改装中の歌舞伎座を見下ろす三原橋交差点のビルの7Fに移って3年目。
黎花LAI-KA 銀座5-13-19 銀座タワー7F TEL6659-8212 LUNCH11:30-15:00
DINNER 17:00-23:00年中無休LUNCH1260円~DINNER5775円~
今日は「お昼の薬膳コース」(3,150円)を
6品の構成は前菜4種、薬膳スープ、豆腐の蒸し物陰陽ソース、えびのライスペーパー包み揚げ(アボカドソース添え)、中華粥、または中華そば、杏仁豆腐
「薬膳スープ」はチキンに金針菜、白木耳、くこ、大棗、百合の生薬を加えて時間をかけて煮込んだものでこの滋味をたっぷり含んだ冬瓜が口の中でほろりとくずれます。
蟹の身の入った豆腐の蒸し物はほうれん草と蟹の玉子の2種の陰陽五行由来のソースとあわせながらいただきます。温めるもの、冷やすもののバランスの取れた組み合わせが人間の身体を健やかに保つのだそうです。
デザートは星福時代からの評判だった柔らかな杏仁豆腐。ゴマと抹茶の2つの味が絶妙です。当時珍しかった触感のこの杏仁豆腐が食べたくて星福のランチに通っていたのが懐かしい。
デザートを食べ終わった頃にはいつの間にか夏のだるさが取れたような幸せな気分になっています。正に黎花のテーマの「福寿健美」(ふくそうきんめい)(思わず笑みのこぼれる幸福な料理。健やかに美しくなれる健全な料理)です。
因みに中華薬膳料理から連想される「医食同源」という言葉は1972年新居裕久博士の造語でいまでは中国が逆輸入して使用しているとか。本格的な暑さに向かってオススメです。