まち歩きツアーのルートを追ってみよう。案内役は公認ボランティアガイドの「中央区文化財サポーター協会」が担当した。午後1時半、警察博物館前(京橋跡北詰)に集まった参加者は抽選で選ばれた14人。旧東海道の街道筋だった中央通り(銀座通り)を京橋跡から新橋跡まで南下して、はじめて物語の足跡を歩くルート。
明治期・大正期の「京橋の親柱」、「煉瓦銀座の碑」などからはじまり、「江戸歌舞伎発祥の地碑」(写真)へ。明治初期の銀座煉瓦街の通りは、はじめて人道と車道が分離されたことでも知られる。「銀座発祥の地」は銀座役所が置かれ、銀座の原点である。電灯が灯ったところには「日本初の電気灯柱」がある。それ以前の銀座を照らした明治初期のガス灯は、銀座ガス灯通りに復元されている。近代文明の浸透ともに、食文化への新しい挑戦をした、いくつかの老舗をめぐり、銀座四丁目に達する。
いまは、銀座の中心地である四丁目交差点周辺は、かつては朝野新聞など新聞社が立ち並んでいたとは及びもつかない。そう、銀座は新聞社、出版社などが進出して、言論、情報の発信地だったのだ。いまでもその面影を探し出すことも銀座の楽しみである。
銀座六丁目に差し掛かったところで、突然の激しい雨になった。しばらく雨宿りをするが止む気配がないので、ここで中断になった。残りあと少しであったが、全ルートを回れなかったのが惜しまれる。
今回のコースを終え、参加者の声は、「いつも歩いている銀座だが、いろいろ歴史を知ることができた」など、銀座再発見の機会になったようだ。ただ、「雨で全部回れなかったのが残念だった!」との声が多かった。本年度の観光協会まち歩きツアー(文化コース)は、中央区まち歩きボランティアガイドの「中央区文化財サポーター協会」が全コースで協力実施している。●巻渕彰
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