日本橋架橋100周年記念のイベントとして、「日本百街道展 特別展」(パネル展示)が、2011年8月20日~9月21日まで、日本橋室町の地下鉄銀座線と半蔵門線「三越前駅」の間の地下コンコースで開催されています。
ずっと遠い祖先が切り拓いた道。大名が参勤交代で通った道。そして地域の人たちの暮らしになくてはならない道。そんな地域に密着した街道や脇往還(脇街道)にスポットをあてています。
展示してある百街道のマップには、奥州街道、東海道、木曽中山道、日光街道、羽州街道の他、塩の道、川越街道、北国街道、郡上街道、美濃街道、熊野古道、因幡街道、土佐街道、長崎街道などが地図上にそれぞれとぎれとぎれに表示されています。(すみません、上の写真は細かい字が見えません。実際会場に足を運んでご覧ください。)
次のように7つのコーナーがありました。
「江戸・五街道」(中央区)、「甲州街道」(千代田区)、「飛騨高山・歴史街道」(岐阜県高山市)、「萩往還」(山口県萩市)、「日本百街道」、そして「甦れみちのくの街道」、「東日本大震災と道路」です。
それぞれ、写真・図や言葉で特徴をコンパクトに表現しています。各コーナーにはパンフレットも用意してありますよ。
「
中央区の展示コーナー」
では、日本橋を起点にする5街道の中央区内の街道地図や、震災や戦禍に耐えて人々に力になった日本橋などのパネルが展示されています。
「甦れみちのくの街道」や「東日本大震災と道路」のコーナー
は、日本橋が、今回の大地震にみまわれた東北へのびる国道4号線(奥州街道)の起点であることから、東北の道路の被害状況や復興状況そして東北の街道について、大震災の犠牲者への追悼と復興を応援するための特別展示です。
「日本百街道展 特別展」に合わせて
街道物産展「全国街道市」が開かれていて、萩往還の萩市の市(いち)が展示場の隣に並んでいました。
この「日本百街道展」は、12月までの4カ月で4つのテーマを展示します。
第1回 「日本百街道展 特別展」8/20~9/21
第2回 「木曽中山道展」9/23~10/23
第3回 「因幡(いなば)街道展」10/25~11/24
第4回 日本橋「しずおか東海道展(仮称)」11/26~12/25
合わせて街道物産展「全国街道市」が開かれます。(開催期間が短いのでご注意ください。)
「桑折・街道市」9/20~21
「萩往還・街道市」8/25~28
「飛騨高山・街道市」9/15~21
「みちのく街道復興市」未定
歴史や街道あるいは震災、物産展に興味のある方、是非この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。また、この展示会場(地下鉄メトロ「三越前駅」地下コンコース)の壁には、写真展示(日本橋周辺の航空写真)と「熈代勝覧」が常設展示してあります。
写真展示では、大きな写真パネルが二つ並んで展示してあります。1つは平成18年(2006年)のもの、もうひとつは東京大空襲前の昭和19年(1944年)のものです。昭和19年には千代田区と中央区の区境川「龍閑川」はありましたよね。探せますか?
「熈代勝覧」は、江戸時代、11代将軍徳川家斉の時代の文化2年(1805年)頃に描かれたそうで、神田今川橋から日本橋までの7町(760m)の賑わいを詳細に絵巻にしています。
この展示絵巻はベルリン国立アジア美術館所蔵のもののレプリカ(実際は長さ12.3mを1.4倍して約17mに拡大)です。
当時の江戸の町の様子を知る上で貴重な資料ですよね。
三越の前身の三井越後屋はじめ88の店舗と、行き交う人々は1671人、このほか20匹の犬、馬13頭、牛4頭、猿や鷹などの動物も描かれているそうです。見ていると当時の賑わいが伝わってきます。
翌年の文化3年(1806年)に牛町火事(丙寅の大火)にみまわれたそうで、その直前の絵ということで貴重な絵巻です。
もうご覧になった方も多いと思いますが、まだの方は、この「日本百街道展」を見るついでにこちらの方も是非ご覧下さいね。