9月の演舞場は初代中村吉右衛門丈を偲ぶ恒例の「秀山祭」ですが、今年は当代吉右衛門さんの人間国宝認定、昨年播磨屋一門に戻った中村歌昇さんの三代目中村又五郎襲名、種太郎さんの四代目歌昇襲名とおめでたいことが重なって初日から大入りの盛況ぶり。私が観た5日目の夜の部もぎっしり満員。
劇場入り口の積樽前で「又五郎襲名」名入りの半纏を着た係りの方に入っていただきパチリ。
楽しみにしていた襲名記念弁当(1800円)は私の前で無情にも売り切れ!写真だけ撮らせていただきました。お昼の部は早めに来てGETせねば。
食べられないと思うと余計に美味しそうに見えるのは何故?
客席に入ると正面には「襲名祝い幕」がかかってお祝い気分を更に盛り立ててくれます。
新又五郎さんは「糒倉」で初役の豊臣秀頼と「車引」の梅王丸を演じます。淀君役の芝翫さんが残念なことに2日目から体調不良で休演、代役は福助さん。吉右衛門さんが氏家内膳、梅玉さんが大野修理。襲名口上は出演の幹部役者さんたちが舞台上にずらりと勢揃いの大迫力。襲名公演はこれだけでも、見ごたえ充分です。芝翫さんが休演なので最初に口上を述べることになった吉右衛門さんが「生まれて初めてで緊張」と説明して客席の笑いを誘っていました。
「車引」の桜丸は藤十郎さんですが、3兄弟の一番下の弟を演じてまるで違和感もなく、喜寿を過ぎたとはとても信じられない若々しさと美しさです。美容の秘訣を教えていただきたいくらいです。3兄弟が揃い後ろに歌六さん演じる時平が並ぶ幕切れは本当に錦絵のようでうっとりしてしまいます。
新歌昇さんが元気に杉王丸を演じ、「四代目」「播磨屋」と声がかかっています。
最後の幕は染五郎さんが宙乗りでつづら抜けを勤めるのが評判の「石川五右衛門」、空中で「つづらしょったが可笑しいか。ばかめ」次の「南禅寺楼門の場」で満開の桜を足元に「絶景かな」の名セリフを聞くとぞくぞくしてきます。此下久吉は松緑さんです。
25日までですが日によってはまだ席もあるとのことなので
東京では一度しか機会のない記念の襲名公演、是非ご覧ください。
お問い合わせ:チケットホン松竹:0570-000-489(10:00-18:00)