残暑の厳しい週末でしたが、秋の文化祭シーズンということで、中央区唯一の私立女子中高一貫校「日本橋女学館」の学園祭、「女学館祭」に行ってきました。
2009年に新築されたきれいな校舎(左) 入り口に置かれた手作りの看板(右)
教頭の藤井由紀子先生にお話を伺いました(以下は藤井先生のお話をもとに、いただいた資料を参考にしてまとめたものです)。
Q: 日本橋女学館の歴史を教えて下さい
A: 明治38年(1905年)、当時の日本橋区教育会が設立した、日本橋女学校が母体です。設立に関わった有名老舗店はその後も理事会メンバーとして学校運営を支えています。
Q: 初期の学校はどんな様子だったのでしょうか
A: 地元の老舗商家のお嬢様が多く、人力車で通学したり、お昼時になると自宅からお使いの人がお弁当を届けにきたりしていたそうです。絹の着物を着た女学生たちの華やかな下校時の姿は、「午後三時、浅草橋に花が咲き」と当時の人気ラジオ番組で語られたこともありました。
Q: 現在の生徒数は何名ですか。やはり地元の生徒さんが多いのでしょうか。
A: 中高あわせて約400名です。設立当初は地元の生徒が多かったのですが、今は近隣の江戸川区、葛飾区からの通学者も増えています。
Q: 特色のあるカリキュラムはありますか
A: 高校には、難関大学進学コース、進学コース、芸術進学コース(演劇、美術・デザイン、音楽)の3つのコースがあります。難関大学進学コース、進学コースは授業時間以外にも、チューター制、ナイトスタディを通じて個々の勉強に取り組むことができますし、芸術進学コースでは早くから専門知識を学ぶと同時に、各分野で現役として活躍している専門家の指導を直接受けながら、芸術系大学・学部への進学に備えます。
Q: 課外活動はいかがですか
A:アジア大会銀メダルの今井遥さんが所属するフィギュアスケート部、全国大会で銀賞のバトン部、東京都コンクールで金賞を受賞した吹奏楽部など、文化系・運動系ともに活躍しています。
Q: 日本橋という土地柄を生かした取り組みはありますか
A: にほんばし学というキャリア教育を実施しています。参加企業・団体の協力を得ながら、中学生の間に、日本橋マップの作成や、職業人のインタビュー、企業の商品開発への参加、中央区長への提案を体験することにより、社会との接点を持ち、高校生になった時点でしっかりと自分の進路を考えられるようにします。
この他にも様々な教育プログラム・学生生活についてお話していただきましたが、残念ながら全てをご紹介しきれません。詳細は日本橋女学館のウェブサイトをご覧下さい。
*ウェブサイトに掲載されている、各教科の先生方による「今週の問題」というコーナーも楽しくておすすめですよ。
藤井先生には、女学館祭初日の朝というお忙しい時間にもかかわらず、様々なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
フォッサマグナについての発表(左) 生徒の絵画作品(右)
多目的ホールでは演劇が上演されていました。学校とは思えない立派な設備のホールを写真でお見せできないのが残念です。
中央区観光協会も展示に参加、ミニ中央区観光検定に挑戦してもらいました
同窓会「櫻悠会」のお部屋にもお邪魔したところ、同窓会会長の樋口さん、副会長の宮田さんのおふたりからお話を伺うことができました。おふたりの女学生時代はちょうど戦争中。防空壕に逃げ込みながら勉強に励んだ当時の貴重な様子をお聴きしました。
櫻悠会という名前は創立100周年を迎えた平成17年につけられたもので、「櫻」は隅田川の桜、「悠」は悠久の悠を表しているそうです。
毎年、同窓生の皆さんが集まる機会があるとのこと。卒業後何十年経っても帰れる母校があるのは本当に素晴らしいことですね。
櫻悠会の方々の作品もたくさん展示されていました(左)
創立90年(青)、100年周年(赤)記念誌(右)。かつての女学生さんたちの作文や短歌、当時の思い出を語る座談会など、卒業生ではない私にもとても興味深い内容で、家に帰ってから読みふけってしまいました。
日本橋女学館には母娘2代、3代に渡る卒業生もいるそうです。長い歴史を持つ中央区では学校も老舗なんですね。
10月には学校説明会や体験会などが予定されているそうです。日程はウェブサイトをご覧下さい。