日本の四季の変化は美しいし また面白いことが沢山あります。
太陽が西に沈む時 丁度富士山頂に乗っかるような姿になるのは中央区では何時見れるでしょう?
中央区でも北の方と南の方とでは 同じ日には見れないでしょうか。
年に2回ある筈ですが ここ勝どき からは秋は11月1日前後だと計算して待っていました。その日は西の空には雲があって駄目かと諦めかけましたが、見た目よりも雲の厚さが薄く 実際に富士山頂に懸かる頃には雲を透してまだ眩しく、光が雲に滲んで 太陽の円い輪郭は 明確ではありませんでした。 まるで富士山が噴火しているように見えました。
そして、ぐんぐん噴火口に吸い込まれるかのように沈んで行きました。それに連れて周辺の雲の色や模様が刻一刻と変化して行きました。中天にある時は動きは感じませんが、山などの比較対象が近くにある時は凄いです。 約2分間で太陽の直径分沈んで行きました。
やがて、夕陽が富士山の後ろにすっかり隠れてしまうと 山の近くは赤い夕焼けに そしてその上は朱色に 更に上は白く その上は淡い空色に 更に上空は まだ昼間のように白い雲を浮かべた青空が広がっていました。 浮世絵の景色の空の色付けと同じ具合です。
春は2月10日頃です。 下の写真は昨年2月9日に写したものです。 まだ1,2日早くて山頂より南側に沈み始めました。翌10日は雲が濃く、11日は夕方雨で撮影出来ませんでした。雲の濃さ、季節による黄砂の飛来状況などによって輪郭と色が変わります。
中央区は北の日本橋馬喰町神田川に掛かる左衛門橋から南の晴海埠頭まで 約5.67㌔あります。 富士山は中央区役所から 約101㌔あります。 富士山から見て 中央区の南北の隔たりは視角3度13分あります。 (角度も1度未満の単位は分・秒を使います。1度が60分、1分が60秒です)
富士山頂の平らな部分は北は白山岳から南の駒ケ岳まで約825㍍あります。この山頂の平らな部分を中央区から見た視角は約28分07秒です。地球から太陽までの平均距離は約1億5000万㌔です。太陽の直径は約139.2万㌔です。視直径は31分59秒です。即ち山頂より太陽の直径の方が約14%大きく見えます。
そして晴海埠頭で 丁度富士山頂に太陽が乗っているように見えている時には 左衛門橋から見ると富士山頂から右側の かなり離れた所の同じ高さで輝いている事になります。 丁度富士山頂に乗っかった姿が見れるのは 中央区の中でも所によって 日にちが異なるとは思ていませんでした。
富士山に沈む夕陽を眺め その余韻に浸っている内に 地上には照明がつき夜の風情になりましたが天空はまだ明るく半月が薄く懸かっていました。