11月の演舞場は「七世尾上梅幸十七回忌」「二世尾上松緑二十三回忌追善」の顔見世。
「顔見世」は江戸時代、劇場側と役者の契約は1年で、毎年十一月はいわば専属契約を結んだ役者を披露する興行が行われこれを「顔見世」といった。従って顔見世は芝居の世界に従事する人たちにとっては正月と同じ意味を持っていたという。江戸大坂の顔見世は江戸後期から次第に途絶え、東京では戦後になって復活した。唯一連綿と続いている京都の南座の顔見世は桟敷席に花街の舞妓さんや芸妓さんがずらりと並ぶのは年の瀬の京都の風物詩になっているのでご存知のかたも多いことでしょう。
というわけで顔見世2日目の夜、早速演舞場へ出かけました。「追善」とはいえお二人とも舞台姿がまだはっきり目に浮かぶのはこちらが年齢を取ったということですね。昼夜ともにお二方所縁の演目が勢ぞろい。それをそれぞれ息子、孫、一門の役者さんが演じるのは「追善興行」ならではです。
菊之助さんの「娘道成寺」は花道に現われた時から観客を魅了しました。「美しい!」「ほう」「ふう」というため息が聞こえます。鐘の上での幕切れまで1時間あまりも観客の視線をひきつけ続けさせるのは凄い!の一語です。
先月の国立に続き、田之助さんの元気なお顔が見られるのも嬉しい事です。
手ぬぐいを久しぶりにGETしました。
特別にお見せします。
夜の部は他に「外郎売」と「髪結新三」昼の部は「傾城反魂香」「吉野山」「魚屋宗五郎」
復帰した勘三郎さんが話題の浅草平成中村座も今月から7ヶ月のロングラン興行です。京都の顔見世も月末から始まりますし、歌舞伎ファンには楽しみな、お財布にはイタイ、本格的な歌舞伎の季節の始まりです。
チケットホン松竹:0570-000-489(10:00~18:00)