新年を迎え、皆様つつがなくお過ごしでしょうか。
中央区の鉄道の歴史やエピソードを紹介するシリーズを再開します。今回は区内を走るJRの地下駅を取り上げてみたいと思います。
JRの前身は日本国有鉄道(国鉄)ですが、1972年(昭和47年)に国鉄初めての地下線路として、東京-錦糸町間が開通したときに、区内に「新日本橋」と「馬喰町」が設置されました。当時はけっこう珍しがられたものです。
「馬喰町」駅はご存知問屋街で有名な馬喰町周辺にあって、都営浅草線・新宿線との乗換駅としても活用されています。
駅の上は車が行き交う都内の風景が広がり、この下にJR幹線が走るなんて創造しづらいものです。
この「馬喰町駅」は開業以来「日本で最も低い駅」として有名でした。
地下約30メートルにホームがあります。
その後さらに深いJR京葉線の東京駅ができたり、海抜では最も低い海峡線(青函トンネル内)の吉岡海底駅ができたりしたので、その呼称は返上したようですが、長くディープな駅として慕われています。
国鉄時代には最も高い駅として有名である「野辺山」駅(小海線)と友好関係を結び、その記念オブジェが駅構内に設置されています。
そのお隣の「新日本橋」駅はといえば、日本橋室町にあります。
すぐ近くに地下鉄「三越前」駅がありますし、「神田」駅にも近い便利な場所です。
この辺りには江戸時代に、長崎のオランダ商館長(カピタン)が将軍家に拝謁のため江戸に来る際に滞在したという〔長崎屋〕があったということで、説明版が設置されています。
参考:中央区民文化財 中央区民文化財67「長崎屋跡」
もう一つ、忘れてはならないのが、JR京葉線の「八丁堀」駅です。
こちらは、1990年(平成2年)に開業しました。地下鉄日比谷線との乗換駅です。
江戸時代に与力、同心の住まう町であったと同時に、水運を生かした物流の拠点でもあったこのあたりは、ほとんどの水路が埋め立てられた今でも、かすかにかつての雰囲気を感じることができます。
隅田川までぶらぶら歩くのにもいいですよ。
中央区の地下を通勤電車だけでなく、〔成田エキスプレス〕や〔わかしお〕〔さざなみ〕などの特急電車が疾走していると思うと、やっぱりこの町は様々な人の行き交う町なんあだなぁと思います。
さぁ、今日も電車に乗って中央区の魅力発見にGo!