少し間が空きましたが、また中央区の鉄道に関わるお話の続きをご覧下さい。
今回は、〔龍閑橋〕から〔今川小路〕界隈をご紹介します。住所で言うと、日本橋本石町4丁目あたりです。
〔龍閑橋〕とは、かつてこのあたり流れていた龍閑川にかかっていた橋の名です。
この一帯は中央区の区域がJR山手線の内側に切れ込んでいる場所であり、近くにはレトロな印象を残す〔今川小路〕があります。
より綿密なお話は、わが中央区観光特派員・O傘のブログ記事「ガード下の今川小路」 (2010年12月3日掲載)に詳しく述べていただいていますので、是非ご参照下さい。
2010.12.3掲載 ガード下の「今川小路」(O傘)
今回ぼくがご紹介したいのは、JRの〝龍閑橋架道橋〟です。いわゆる鉄道のガードなのですが、レンガづくりの味わい深い建造物です。1919(大正8)年に中央線のガードとして初めて建築され、その後路線拡張にともなって増設されたものです。
現在は山手線のほか、京浜東北線、東北・上越新幹線、中央線の電車がひっきりなしに走っています。中央区内のJRの駅は以前に地下駅のお話でご紹介しましたが、新幹線や山手線が区内を走っていることを意外に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
〔龍閑橋架道橋〕を日本銀行本店のある側からくぐってしばらく行くとすぐに千代田区との境界があります。つまり昔はそこに川が流れていて区境を成していたわけですね。千代田区に入ってすぐのところに〔龍閑橋〕という交差点があり、往時の名前をしのぶことができます。
区境あたりを東に折れ込んでまた線路に近づくと、前述の〔今川小路〕に行き当たります。何だか昭和の香りが漂ってきますねぇ。
さて、この付近では現在新しい線路の工事が進行中です。一般に〝東北縦貫線〟と呼ばれています。北から伸びてきた線路の断面を見ることができました。
つまりは、現在〔上野〕が運行上の終点となっている東北本線(宇都宮線)、高崎線、常磐線を東京駅まで延伸し、東海道本線と直通運転しようという計画です。
予定では2013年度中に開通することになっています。
神田駅あたりでは東北・上越新幹線のさらに頭の上に新しい高架線路によって通過し、この日本橋本石町あたりから徐々に高度を下げて東京駅の手前で東海道本線の引込み線につながっていくことになります。
工事が完成すると、上野-東京間の山手線・京浜東北線の混雑率緩和に効果が高いほか、乗換の不便を解消して人の流れがスムーズになると期待されています。〔龍閑橋架道橋〕の上を新たな運行形態の電車が走る日もそう遠くありません。
今回は、中央区の隠れた鉄道名所をご紹介しました。また次回お会いしましょう。