春爛漫の季節を迎えました。
皆さんそれぞれにこの麗しい季節を楽しんでいらっしゃることでしょう。
今日は夕方から時間ができたのでブラブラと蛎殻町から兜町、日本橋へと歩いてみました。もう風もすっかり優しくなって、気持ちよく歩くことができました。
兜町の東京証券取引所前の〝一本桜〟も淡い色彩を楽しませてくれました。
さて、今日のお目当ては〔日本橋西川〕さんです。ご存知のとおり、このお店は江戸開府の折に選ばれて招かれた近江商人の名家であり、東京の歴史ある老舗です。品揃えはもちろん、お店の方の立ち居振る舞いからプライドのようなものが伝わってきます。
「春はあけぼの」と枕草子で讃えられたほか、かの漢詩の名文、孟浩然の『春暁』において「春眠暁を覚えず、処々啼鳥を聞く」と謳われたことを想いだしました。このところ、暖かくなって朝のまどろみが何と気持ちいいことでしょうか。
その反面、何だか熟睡感が無くて「これはもったいない」と考えました。少しは春の惰眠を貪りたいとの欲に駆られ、快眠用のよい枕を求めて〔西川〕さんを訪ねたのでした。
お店の方にうかがうと「このところ、健康的な睡眠を大切にする方が増えて、枕や敷き布団をお買い求めの方が増えています」とのことでした。やっぱり、皆同じような悩みや欲望を持っているんだなぁ、と感心。
早速頭の高さや寝姿をチェックしてもらって、適切な枕をチョイスしていただきました。なかなか枕も奥が深いものです。これもお店の方にうかがったのですが、「枕はあまり高いと首に疲れが残ります。また、ある程度広さがないと寝返りが打ちにくく安眠の妨げになります」とのこと。これまで無造作に考えていたことを反省しました。
早速買い求めた枕を抱いてうきうきと帰宅しました。
先ほどの漢詩の後半には「夜来風雨の声 花落つること知んぬ多少ぞ」という下りがあります。このところ強い雨の日がたまにあるので、今の桜がいつまでもつのかとちょっと心配です。 そんな不安も快眠の夢に包まれて、今夜からはすやすやと眠りたいものです。楽しい夢を見られることを期待していち早く就寝です。おやすみなさい。