本日20日より小網神社に茅の輪が設けられた。「夏越の大祓え」が行われる6月30日まで設けられるとのこと。
ご高承の通り、年2回の大祓えのうち、大晦日は「年越しの祓え」六月は、旧暦の六月は文字通り秋を迎える節目に当たることから「夏越の祓え」と呼ばれ奈良時代からの宮中行事でもありました。現在でも多くの神社で行われている「茅の輪」の行事はこの「夏越の祓え」を代表する慣わし。「茅の輪」と呼ばれる「茅」(ちがや)を束ねた輪(直径2~3m)が飾られ、この輪をくぐると身が清められ疫病や罪が祓われるとされています。夏越の祓えに茅の輪を飾るのは「備後風土記」に記されている「蘇民将来」の説話(一夜の宿を貸してくれた蘇民将来にスサノオノミコトが茅の輪を腰につけると疫病を免れると教えた故事」に基づきこの伝承が今日の茅の輪くぐりの元になったと考えられているとのことです。
江戸後期の「東都歳事記」にも「神前、祝詞を奏し、神楽興行あり。神事終はりて参詣の輩、茅の輪を超えさしむ。河辺に隔たりたるところには盥に水を盛りて禊川に比するなり。この日庶人、紙をもって衣類の形に切りて、撫ものとし、川に投ず。」とあります。また文化年間の「諸国風俗問状答」の丹後国峯山領の答えには「輪を祓える時唱歌、水無月の夏越の祓する人は千年の命のふといふなり」「おもふ事みなつきねとて麻の葉をきりにきつても祓する哉」右二首の歌を唱して茅の輪を抜け申候」というのが見られます。これは拾遺集にある歌ですが、現在でも茅の輪くぐりの際唱えるといわれています。
半年間の身の穢れを祓うために神社にある「形代」(かたしろ)に生年月日、名前を書いて身を撫で神社に納めます。神社では納められた「形代」を「夏越の大祓え式」でお祓いし、川や海に流します。
小網神社の大祓えは6月30日。また波除稲荷神社では6月の大祭の後から既に茅の輪が設けられており、「大祓え式」は7月第一土曜日、今年は7月7日、午前中に大祓え式の後、午後から隅田川波止場岸壁より「海上形代流し」が行われます。従ってこの「大祓え式」までに神社に形代はお納めください。半年間の穢れを祓って気持ちのよい次の半年を迎えたいものですね。氏子でもないのに私は2社から形代をいただいてきました。穢れが祓われ過ぎたら!!どうなるのでしょうか?
この夏越の祓えに用いられるのが和菓子「水無月」。白の外郎生地に小豆を載せ三角形に包丁された菓子で小豆には悪魔祓い、三角の形は暑気を払う氷を表しているとのこと。京都では6月30日にしかいただかないものだとか。・・六月は何故かこの御菓子が出されることが多いので、私お茶のお稽古で既に2回いただいてしまいました。
写真は「築地高生」さんのもので六月一杯は作っていらっしゃるそうです。ひとつは杏の蜜漬です。
小網神社:日本橋小網町16-23 TEL3668-1080
人形町A2出口徒歩5分
波除稲荷神社:中央区築地6-20-37 TEL3541-8451
築地駅徒歩7分、築地市場駅徒歩5分