6月7日(木)~10日(日)まで、築地・波除稲荷神社の大祭「築地獅子祭り」が催されました。このお祭りについては他にもたくさん紹介されていますので、今回はその運営の裏側に迫ってみます。
お祭りの花形といえば何と言っても神輿の渡御ですが、その華やかな舞台には多くの人たちの貢献があります。
まずは神輿を担ぐ人たち。もともとは氏子が担ぐのが本当ですが、今ではそれだけでは数が足りないので、多くの祭りでは、いわゆる〝同好会〟の皆さんのご協力を得ています。〝同好会〟の皆さんは関東各地の祭礼に招かれて神輿巡行に協力しています。皆さん、お祭りが好きで、にぎやかなことが好きで、元気な方々です。また離れた町内同士で応援することもあるようです。
またお祭りの雰囲気を高めるためには音楽も重要な要素です。〝お囃子方〟と呼ばれる方々は笛、鉦、太鼓をリズよく奏でながら気分を盛り上げてくださいます。日頃から地道な稽古を続けて、江戸情緒あふれる音色を守って下さいます。
御幣を掲げる役もあります。神輿の先導を行うことはもちろんなのですが、神様の拠り代(よりしろ)として、あるいは巡行の祓いとしての役割もあります。地方によってはみこしが無くて御幣だけを掲げて地域をめぐる慣わしもあるようで、重要なツールなのです。五平餅はもととも御幣餅であり、この形に似ているから名づけられたんですね。
神輿の巡行の節目にインターバルの合図をするのは、睦の頭(かしら)です。拍子木を打つことを「柝(き)を入れる」と言います。歌舞伎や相撲でも同様のしきたりがありますね。古来より日本の神道では木の柱を神が宿る場所として神聖に見立てています。古代の神社は 一本の柱だったといいます。つまり拍子木も〝神の場所を守る〟意味があるようです。祭りではその音によって邪気を祓い神事を進める役割があるんですね。
その他、たくさんの方々がそれぞれの役割で祭りを守り立てて下さいます。準備や後片付けも含めて、目立たないところでご苦労されているかたも大勢いらっしゃいます。お祭りとは「地域の力をあわせる」という総合パフォーマンスなのだと思います。
中央区内では、この後も「佃・住吉神社」や「深川八幡」などのお祭りが控えています。それぞれの地域で、この伝統ある行事を大切に盛り上げていただきたいと願っています。人のつながりと賑わいの嬉しさを感じた数日間でした。