東京駅に行ってきました。
通勤・通学・旅行に利用する身近な駅を、わざわざ見に行くの。
そう思われるかも知れませんが、わざわざ見に行きました。
目的は、丸の内側の赤レンガ駅舎です。
「東京ステーションシティ」という再開発プロジェクトの一つで、
大正3年の創建当時の姿に、赤レンガ造りの駅舎をよみがえらせようとするものです。
これまで、駅舎全体に、白い工事用のカバーがかけられていましたが、それが取り外され、
全容を現したのです。
着工からほぼ5年。
レンガの明るい色と白い花崗岩の縁取りが、鮮やかに目に飛び込んできます。
屋根のスレートは、宮城県石巻市の雄勝産です。
3.11の大震災の被害に合いながら、奇跡的に残った材料を使用しているとのこと。
とは言っても、まだ周囲が工事用の塀で囲まれていますから、塀の切れ間から覗き込む形です。
内装やこまごましたところの工事は継続中です。
そうした今だから、見ることができるものがあります。
まだ、下塗り段階の壁の一部。
隅の部分のレンガや鉄骨の切断面。
保護用のシートの先に、うっすらと浮かぶレリーフや彫刻。
工事の途中経過が分かるのです。
これって、何かドキドキしませんか。
えっ。ドキドキするようなポイントじゃない。私だけなのですかね。
私たちが工事開始前に見ていた駅舎は、昭和20年、空襲による戦災で3階部分と南北のドームが焼失し、2階建てに再建されていた建物です。
1日に約3000本の列車が発着する大ターミナルにおいて、その輸送機能を維持したままで工事が進みます。
百年近い歴史を誇る建物の地下に、免震装置を新設し、震災にも強い構造になります。
工事用の塀に、東京駅の歴史や、建物のデザインに関する資料が描かれていますから、話したくなるミニ情報をたくさん得ることができますよ。
そのドーム内の改札口も今月上旬に使用開始になり、装飾の施された天井の一部を眺めることができるようになりました。
7月1日には、中央口改札が使用開始になります。
10月1日には、「東京ステーションギャラリー」が開館。
10月3日には、休業していた「東京ステーションホテル」が、新しい装いで開業します。
赤レンガ駅舎のグランドオープンは10月とのこと。
建物が次々に変化していく様が、楽しみです。
「東京丸の内は、中央区じゃない」かですと。
そうです、区域は千代田区です。
でも、大東京の玄関ですし、固いこと言わないで。
そうだ。赤レンガ駅舎の設計は、明治建築界の重鎮、辰野金吾博士によるもの。
中央区日本橋本石町にある日本銀行本店本館の設計も、辰野博士によるものです。
ともに、国の重要文化財に指定されています。
辰野博士つながりということで、よろしくお願いします。