開店当時から噂に聞いていたものの、ドツボにはまってしまうのが恐くて、ずっと行かずにいました。
でも、でも、やっぱり、行ってしまったのです。
その店とは、歌舞伎・映画・演劇専門の古書店『木挽堂書店』。
歌舞伎座と文明堂の間の道に入り、茜屋珈琲店のドアの横の階段を上がれば、そこは宝の山!
歌舞伎や演劇、昔の日本映画が大好きな人にとっては、何時間いても飽きることのない場所です。
店主の小林さんは、松屋の裏にあった「奥村書店」にいらした方。
戦後の銀座の夜店から始めて、歌舞伎・古典芸能・演劇関係の品揃えが豊富で有名だった奥村書店は、著名人のエッセイ等にも登場しますが、歌舞伎座の帰りに寄ったという方もいらっしゃるかと思います。
奥村書店は古書が中心でしたが、こちらは、ポスター・チラシ・ブロマイド・色紙等の品揃えも豊富。
棚に入りきれずに、床から山積みになっている中を捜すのはちょっと勇気がいりますが、チラッと表面を見るだけでも、あっ!あんなのがある、こんなのもあると、ついつい時のたつのを忘れてしまいそうです。
ただ、古書独特の紙の匂いが余りしないので聞いてみたら、店主の小林さんが、独立して自分の自由になるのだったら、2つの事がしたかったとのことで、1つはお香を焚くことで、もう1つは音楽をかけること。
というわけで、微かにお香の匂いが漂い、流れるBGMは坂本龍一でした。
店主の小林さんに「こちらにオープンされたのは知っていたのですが、行けば欲しいものが沢山あって目の毒なので、今まで来ませんでした」と言ったら、「そういう話はよく聞きます。
でも、お気軽にいらしてくださっていいんですよ」と言って、他愛もない芝居談義にも付き合ってくださいました。
比較的お若いこともあって、昔ながらの「寡黙で取っつきにくい古本屋の店主」というイメージとはちょっと違う、気さくな感じの方です。
定休日をうかがったら、「歌舞伎公演をやっている時は原則として無休です。
だから猿之助さんの襲名の時は大変でした(笑)」とのことですが、詳細についてはホームページに出しているので、そちらを見て欲しいとのことでした。
【木挽堂書店】
中央区銀座4ー13ー14
銀座メイフラワーハウス2階
03(6426)1362
http://homepage3.nifty.com/kobikido_shoten/