「残暑は厳しいものの朝夕の風には秋の気配が・・・・」というのがこの時期の時候挨拶の定番ですが、今年は暑い!日本は亜熱帯を通り越し熱帯入りしたというのが真実味を帯びてくるこの頃です。とはいうものの9月も2週目ともなると流石に薄物も着られず、手入れを頼みに久しぶりに呉服屋さんに出かけました。
「つづれ屋」さんは昭和7年(1932)創業の今年で80周年を迎える老舗です。最初のお店は浅草で紳士物が専門。昭和初期という時期もあり場所柄、粋どころや落語家のお客さまも多く、黒門町の師匠も顧客のお1人だったとか。その後日本橋に移り婦人物に特化。お振袖を始めとする伝統的な絵柄の古典着物と帯に定評のあるお店です。
うだるような暑さの中を一歩店内に入るとそこはすっかり「秋」。薄色やあっさりした絵柄の多かった夏物と異なり、こっくりした染め色の秋冬の柄や色を眺めていると季節はいつの間にか変わっているのだと感じられてきます。隣のご家族連れの方はお嬢様のお振袖をお探しのご様子。「こちらもどう?」「あちらも?」と楽しそうな着物選びについこちらもニコニコ。
「ちょっとお時間おありなら見ていただきたいものが。・・」「ああ!これが危ない」と危険を察知したものの着物好きは誘惑には弱い。並べられる品は当方の好みを熟知したものばかり。「そういえばお茶会がいくつか入っていたな」と思ったらもうお終い。・・・・・
外に出ると暑さはまっさかり!「秋」はまだ呉服屋さんの中だけのようです。つかの間の「秋」を感じに呉服屋さんにお出かけになりませんか。
つづれ屋日本橋本店
日本橋室町1-3-8TEL3241-7271三越日本橋店並び
つづれ屋銀座店
銀座5-8-3 TEL3541-3696
銀座駅A5出口すぐ