中央区観光協会主催の 上記まち歩きツアー催行の9月19日は小雨、「あらあら、、」と集合場所のコレド室町「にんべん」さん前に到着した頃はかなりの降り。時間前に予定参加者8名全員が揃いました。(2名事前キャンセル、3倍近い倍率だったのに残念)
美味しそうなかつおぶしだしの匂いが漂ってくるお店の前で、手持ち無沙汰そうな一行を見て、店長の大場様が開店前にお店にご案内下さいました。嬉しいご配慮です。
「にんべん」さんは「本枯れかつおぶし」で知らぬ人のない、元禄12年(1699)創業313年になる老舗中の老舗。2年前のコレド室町開店に合わせ移転。「だし場]の「かつおぶしだし」100円が大ヒットで開店しばらくは一日2,000杯も売れたとのこと。日本型食生活が見直されていることもあり発酵食品のひとつであるかつおぶしも根強い需要があるようです。
珍しいものを見つけました。あの「一番早く新しい年を迎える」キりバス共和国「クリスマス島の塩」です。「和食に合う塩」として販売されています。(100g525円)
DASHI BARでもこの塩を使っていらっしゃるとのこと。使ってみるのが楽しみです。白状すると私は「かつおぶしが味噌、醤油と同じ発酵食品」だという認識がありませんでした。18世紀に発行の銀製の商品券など楽しいご説明をいただいて、次の訪問先「榮太樓」さんへ。
雨も上がったようです。
「榮太樓」さんは安政4年(1857年)日本橋西河岸(現在の地)に独立の店舗を開いたのが始めとこのこと。
入り口の「のれん」の前でご説明中の西脇様。「日除けのれん」はお菓子やさんは白地に墨字が多いが江戸、日本橋界隈では「紺のれんに商標」が一般的とのこと、今まで気がつきませんでした。右は入り口左にある「赤玉石」です。金座の後藤家にあったものをお店の初代が買い取られたものだそうです。下は「御影敷石」で創業時に道路からお店に入る位置口に敷石としてあったもの。歴史と「お客さま第一」という老舗の姿勢が伝わってきます。ささげを使った「甘名納糖」や「玉だれ」というわさびあんを使った夏らしい御菓子は売り切れ。残念。今日は季節のおはぎと、やはり創業期からの名代金鍔を購入することに。
最後の訪問先は「山本山」さんです。すっかり雨も上がりました。到着するとテーブル席に冷茶が出されました。出発して1時間なので皆さんも少しノドが乾いた頃。絶妙タイミングでのおもてなしに一同感激です。
「山本山」さんは創業元禄3年(1690)。宇治の山本嘉兵衛氏が「宇治の美味しいお茶を、こんなに美味しいのだから多くの人に味わっていただきたい」との思いで江戸日本橋で「お茶」の販売を始めたのが最初。当時、庶民の間で普及し始めていたこの飲み物は大ヒット。その後四代目による「煎茶」の改良、六代目による「玉露」の創製と品質追求を重ねお茶の歴史を作ってきたお店です。吃驚したのは「山本山」さんといえば「お茶」と「海苔」は切ってもきれない印象ですが「海苔」の販売を開始されたのは昭和22年とのことです。千木良様のご説明を伺って初めて気がついたのですが銀座線の三越前から銀座までは駅ごとに海苔店があるとのこと。そういえば京橋駅ー山形屋さん、三越前ー山本海苔、そして日本橋は山本山さんです。
奇しくも本日の訪問コース3社のコラボ商品、「江戸老舗めぐり」詰め合わせです。新聞で新商品の紹介で以前目にしていたのですが実物は始めて。売れ行き好調のようです。
ご参加の皆様は「まち歩きツアー」ご参加経験のある方もいらっしゃり、お店の方への質問も多く、移動中に初めてのご参加の方に「この日本橋の字は15代将軍慶喜が書いたものよ」「このお店もならぶのよ」などと説明される姿も見られ、和気藹々と楽しんでいただけたようでした。私はまたまた案内人というより、買い物好き観光客のひとりになってしまいました。反省です。今回3店でご説明を伺いながら歴史のある定番商品と共に時代に即応した新商品の開発も同時にされていることを伺い、流石これが何世紀も続く「老舗」なのだと認識を新たにした次第です。
「にんべん」日本橋室町2-2-1コレド室町1F TEL 0120-120-241
「榮 太 樓」日本橋1-2-5 TEL 03-3271-7785
「山 本 山」日本橋2-5-2 TEL 3281-0010
日頃お買い物にお邪魔するだけではなかなか知ることのできないお店の歴史とエピソード、知ればちょっと人に教えたくなる薀蓄が2時間で得られる「まち歩きツアー」です。
「まち歩きツアー」のこの老舗コース②は、本年度もう1回開催される分の申込み締切は10月26日(金)往復はがき必着です。お申込み方法、および他のコースは中央区観光協会のHPをご覧ください。まだ間に合うコースもございます。