明治座は来年4月で140周年になる東京で最も長い歴史を持つ劇場。私は平成5年の建替後の杮落とし公演以来19年ぶりです。2Fのロビーギャラリーで「明治座140年展」として喜昇座以来の歴史を写真パネルで展示中。許可を頂いて写真を撮らせていただきました。千歳座開場の明治18年(1885年)11月初演の作品が現在演舞場で上演中の「四千両」です。
明治座の歴史をざっとおさらいすると創業明治6年(1873年)現在の久松警察署の南側に建てられ喜昇座として開場
明治12年(1879年)久松座、明治18年(1885年)千歳座、明治26年(1893年)明治座
その時代時代の出演者や演し物が写真で紹介されていますのでなかなか楽しめます。劇場にいらしたら是非ご一見を。市川団十郎が明治29年(1896年)9月に出演して25日間大入り満員。其の時そば札を大入り袋に入れて配ったのが、今日の大入り袋の始まりーというような話も出ていますよ。
さて、今月の夜の部は「天竺徳兵衛新噺」(いまようばなし)の通し。南北の出世作となった「天竺徳兵衛韓噺」(いこくばなし)を三代目猿之助が復活上演する時、「韓噺」を土台に小幡小平次の怪談話を織り交ぜたものです。天竺徳兵衛は江戸時代の実在の人物で角倉了以の配下として寛永年間に天竺(インド)に渡り、帰国後その体験を聞き書きに残し評判になりました。初演は文化元年河原崎座で初世松助の早替りが余りに鮮やかなのでキリシタン妖術と評判になり奉行が直々に検分に来たという話があるほどです。(小屋の宣伝だという話も)。当代の猿之助さん、泉水に飛び込んだ座頭が花道から上使役で、小平次の幽霊が悪婆のおとわへと何回もの早替りを何とも楽しそうにのびやかに演じています。隣の方が「こちらまで楽しくさせてくれますね}と仰っていました。最後は圧巻の葛籠抜けの宙乗り。しまった!2階席にすればよかった!と思うのはこの時ですね。遅かりし。お昼の部は「傾城反魂香」と「蜘蛛糸梓弦」(くものいとあずさのゆみはり)こちらも早替りです。
お問い合わせは明治座チケットセンター 03-3666-6666、(10:00~17:00)
チケットホン松竹0570-000-489(10:00~18:00)インターネット席とりくん
27日までです。