中央区内の五街道をゆく、第3回は中山道。江戸期は日本橋から北へ板橋宿を経て内陸部をゆく道中。現在の中央区内部分は室町三丁目交差点まで国道6号と重なるが、北進すると国道17号で、今川橋までである。
国道17号の東側、江戸通りの一本北側の細い道には「石町時の鐘鐘撞堂跡」説明板(写真上左)がある。江戸初期から時の鐘があったところだ。すぐ隣には「夜半亭‐与謝蕪村居住地跡」の説明板もある。蕪村は芭蕉・其角・早野巴人の流れをくむ江戸座蕉風派の門人であった。
国道17号を北へ向かうとやがて今川橋。ここが中央区と千代田区の区境で、かつては龍閑川が流れていた。江戸期の今川橋は絵巻「熈代勝覧」の巻頭部分で知られ、橋付近には瀬戸物屋などが並んでいる様子が活写されている。現在、橋跡の石碑(写真上右)や説明板(写真下左)などが建っているのでその名残が感じられる。
JR神田駅のガードを越えた辺りが日本橋から1km地点(写真下右)となる。この先は万世橋を経て、本郷から板橋へ向かう道が旧中山道、国道17号である。●巻渕彰