秋から冬への移行期、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。
ぼくの好きな銀座の町は、歳末セールを控えて静かにたたずんでいるようでもあり、冬の訪れに対して身構えているようでもあり、やっぱり魅力的な町であることに変わりありません。
銀座7丁目にある〔銀座ニコンサロン〕では、個性的な写真作家の個展などを精力的に開催しています。
写真という芸術は「一瞬を切り取る」ということでいうと絵画の表現力と俳句の写実性を兼ね備えた総合芸術のようにも思えます。
今、このサロンでは『比嘉良治写真展』が12月4日まで開催されています。
比嘉さんは沖縄出身で若くして渡米し、今はニューヨーク在住のすばらしい写真家です。
ぼくは、観光特派員1期生の〝坂の上のねこ〟さんに紹介されて早速訪ねてきました。
〔銀座ニコンサロン〕は〔銀座松坂屋〕の横手を入ったところにあり、写真やカメラを愛する人たちが足しげく通うスポットです。今回の比嘉さんの写真展は「ちらがー 沖縄の素肌」というタイトルで、主に沖縄の自然の造形を独特の視点で捉えた作品がいくつも展示されています。岩や崖、植物など、さりげない風景の中に自然への愛情と敬意が溢れているように思えます。「無言だけど雄弁」とはこういうことを言うのでしょうか。
ちなみに、〝ちらがー〟とは琉球方言で〝面の皮〟ということで、主に豚の顔の皮を指すそうです。沖縄の生の姿を伝えたいという作者の思いがこめられているのかもしれません。
サロンは入場無料ですので、銀座までお出かけの節には是非お立ち寄り下さい。
ファインダーを通じて交流する自然との会話を感じることができると思います。