ひと雨降るごとに、気温の変化が肌で感じられ、一枚多く着込むようになりました。
もみじ前線も、北から南へ、山岳から里山・街へと移ってきています。
紅葉狩り、黄葉狩り。
今年はゆっくり野山を歩く機会を外し、気が付けば11月も残りわずか。
中央区内で最も樹木が集中しているところはどこかな。
やはり、浜離宮でしょう。
ということで、小春日和のひと時を、浜離宮恩賜庭園で過ごすことにしました。
園内は松をはじめとする緑の木々がふっくらと茂り、雲ひとつない青空を背景に、艶っぽく枝を伸ばしていました。
紅葉は、・・・。
小道に敷き詰められた広葉樹の落ち葉は、昨日の雨と風の衝撃を物語っていました。
見ごろは過ぎたのかな。
でもイロハモミジの色づきはこれからですし、黄色に変わる木々も残っています。
太陽の光を浴びた葉はキラキラと、自らが輝く番を待っているかのようです。
樹木の種類が豊富なことも、浜離宮の魅力です。
一方で、冬を迎えるしたくが着々と行われていました。
松の幹にわらの帯を巻く「菰巻(こもまき)」。
寒さの苦手な害虫をわらにおびき寄せて駆除するものです。
ちょうど木が腹巻をしているようで、暖かそう。
樹木の枝が折れないように、立てた柱の先端から放射状に縄を張る「雪吊(ゆきつり)」。
縄のピンと張った形が作る三角錐が、冬への覚悟を示しているようです。
季節がらクリスマスツリーを想わせて、日本庭園との対比が、楽しい気分にさせてくれます。
その日は、海外からのお客様の姿も多く見られました。
紅葉をバックに記念撮影をしているのかと思いながら、そのアングルに近づいていくと、ホゥと感心しました。
緑の木々のかたまりを底辺にして、汐留の個性的な高層ビル群や、東京タワーを撮っていたのです。
東京湾に向かい、レインボーブリッジやお台場も、撮影のターゲットになっていました。
東京の観光スポットを一望にできるこの場所。
園内東部に位置する「樋の口山」の周辺です。
東京の街路樹や小公園の木々、家々の生垣や植え込みも、もみじに移る時期です。
街に錦が下りてきた。
気ぜわしい季節に、ほっと元気が湧く色彩です。