地下鉄日比谷線「人形町」駅を小伝馬町方面で降り、交差点を神田方面へ進み、二つ目の交差点を左折。
ほどなく行くと、右側に日本橋小学校、日本橋図書館があります。
ここは、明治時代は、西郷隆盛邸、江戸時代は、周辺に、幕府の銀座が置かれていました。
小学校を背にして、左手ビルの一階に、呉服屋「紗紅羅」があります。
瀟洒なお店は、ご夫婦で営まれ、お二人とも粋に和服をお召でした。
ここ人形町で開業されて、数十年になるとのこと。雰囲気もそのまま、江戸時代にタイムスリップです。
お店には、たくさんの反物がきれいに陳列されていて、思わず手に取りたくなります。
・・・ご主人に、着物のことを詳しくお聞きしました。
お仕立てとは
まずお客様の体の寸法を測る採寸をします。 鯨尺と言う物差しで測ります。
寸法には 男並み 女並みの寸法があります。 3分増し、5部足しで寸法を測ります。
昔は多くの方が、日常着として使われ、動きやすいように短め。今は、長めが主流とのこと。
お客様の好みもありますが、それぞれの着こなしで大きく着物は変わります。
おはしょりの取り方でも、長さが異なるそうです。
褄下でも、着崩れをした時でも、衿先が出て入れば、引っ張れば、直しやすいとか。
着物をお召になるには、約束事がいくつかあるそうです。それを守れば美しく心地よく着こなせるとのこと。
:::また 着物のすばらしいところは、着物の糸をすべて解すと、すっかり元の反物に戻るとのこと。
今のエコの神髄とも言えるものだそうです。:::
<注> 反物::着物一人分を仕立てる生地のこと、その単位。 鯨尺::反物を測る単位、一尺が曲尺の一寸5分(約38cm)、もとは鯨のひげで作った物差し。 褄下::衿下の部分
詳しくは 「紗紅羅」の ホームページ (お仕立てまでの基礎知識)をご覧ください。
本当に親切に説明がされています。 初心者、研究者必見。
ご主人に着物事情を伺うと、今は、着物の製作者も少なくなったとのこと。
今は着物の製作では食べてゆけず、 最近赴いた京都では、タクシー運転手をされている方もいらっしゃったとのこと。
その方は、西陣の腕利きの伝統工芸士だったそうです。
綴織の職人とか古くからの伝統継承者は、ほとんどいなくなったとのこと、嘆かわしいと、ご主人はおっしゃっていました。
指の爪にそれぞれ切れ目を入れ、それに糸を通し、織りなす伝統工芸も。奈良時代からの伝統も今は火の灯のように消えて行っているそうです。
呉服店 「紗紅羅」 では、
「着物きつけ教室」を開催しているとのこと。
また 「きもの学入門講座」も開催中とのことです。
着物について知りたい方は、ぜひお越しくださいとのことです。
お着物は、他店とは一味違う特選商品をご用意しているそうです。
ご主人は、いつでも、お気軽にご来店くださいと、また、この素晴らしい着物文化をすこしでも多くのお客様にお伝えしたいともおっしゃっていました。
特撰呉服処 日本橋人形町 紗紅羅(さくら)
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-5-1
フリーダイヤル:0120-33-5298 FAX:03-3667-5298
営業時間: 月~金曜日 AM10:00~PM7:00、土曜日 AM10:00~PM6:00
ただしご一報頂ければ休日もお待ちしております。