地下鉄大江戸線の築地市場駅の階段を上がれば、すぐ目の前に見えるのが、朝日新聞社です。
入り口には警備の人が立っていて、関係のない人間は入っては行けないような雰囲気ですが、実はこの建物は、コンサート等がよく催される「浜離宮朝日ホール」への通り道にもなっていて、ホールへ抜けるための2階のコンコースには、レストランやカフェ等一般の人でも利用できる施設が入っています。
その中にある書店が、BookCumu(ブックキューム)です。
店長の渡邊さんによれば、来店客のほとんどは、やはり朝日新聞の関係ということで、入ってまず目につくのは、政治・経済・時事問題の本。
20坪も無いくらいの狭い店なのに、八重洲ブックセンターのような超大型書店でなければ置いていない、岩波書店・みすず書房・藤原書店などの人文科学系の本がずらっと並んでいます。
さらに、文庫・新書では、近藤書店や旭屋書店が無くなった後の銀座エリアでは、教文館くらいにしかない岩波文庫・新書の他に、日本の古典文学を多く収録する角川ソフィア文庫、講談社学術文庫、ちくま学芸文庫と、知的好奇心をかきたてるような本が平積みされています。
中でも、「マスコミ・ジャーナリズム」というコーナーには、昔の基本的なジャーナリズム論から、IT時代の最新の動きまで、新聞以外の雑誌・テレビ・ネット等の全てのメディアに関する本がずらっと並び、さすがに「新聞社の中の書店」という感じ。
これは、かつてある記者の方から『新聞社の中にある書店なのだから、狭くても、マスコミ・ジャーナリズムのコーナーを作ったら』というアドバイスがあって出来たコーナーだとか。
その記者の方は早逝されてしまったので、謂わばメモリアルのコーナーでもあるのだそうです。
その他、当然ながら、朝日新聞出版の新刊書籍や雑誌は揃っていますし、週刊朝日やアエラ等のバックナンバーも、1ヶ月くらい前まで在庫しています。
(たまたま在庫を切らしていたり、品切れだったりする時もあるので、来店の前には必ず電話で在庫をご確認下さい、との事です。)
営業は月~金曜日の10時~18時なので、昼間に仕事をしている方は難しいかもしれませんが、本好きだけがわかる、今時数少ない『棚が語りかけてくるような本屋』です。
機会がありましたら、是非いらしてみて下さい。
中央区築地5-3-2 朝日新聞社2階
電話03(3543)2428
営業時間 月~金曜 10時~18時
定休日 土曜・日曜・祝日