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気になる、気になる、初午いなり

[小江戸板橋] 2013年2月23日 14:00

立春を過ぎてからも、「この冬一番の寒さ」が次々と降りてきます。

身が縮こまりがちな2月ですが、なんだか食べ物に関連する行事は続くような気もします。

 

節分でまいた豆を、年の数プラス1だけ食べ、

今年の方位に向かって「恵方巻き」にかぶりつき、

デパ地下の「バレンタインデー」の装飾に目が眩んでしまいました。

今やバレンタインデーは、「女性から男性への告白」にこだわらず、「男性から女性へ」のプレゼントも普通に行われているんですって。

となると、3月の「ホワイトデー」は、どう位置付けられるの。

「義理チョコ」がはやらなくなった昨今、業界の仕掛けが密かに動き出しているのでしょうか。

 

そして2月の食習慣に、「初午いなり」が割り込んで来ていることを知っていますか?

初午(はつうま)の日に、「いなりずし」を食べようというものです。

えっ。そもそも「初午って何」のレベル。

 

エー、初午と申しますのは、2月の最初の午(うま)の日でありまして。

子、丑、寅・・の干支(えと)の午ですな。

立春のあとの午の日とも言われています。

で、その「初午」がどんなにありがたい日かって言うと、お稲荷様がこの世界に降臨なされた日なんですよ。

ところは京都伏見の稲荷山。

朱塗りの鳥居がづづーっと続く千本鳥居で有名な、伏見稲荷大社のあるところ。

このお稲荷様は、凄い!

五穀豊穣、商売繁盛、交通安全などなど諸事万端、広大な御神徳をお持ちになります。

日本人の主食である米、その「稲を荷う」というネーミング自体がありがたい。

初午の日には、各地の稲荷神社で油揚げを奉納して祈願します。

もちろん油揚げは、神のお使いの白狐の大好物。

(私、実際に狐が油揚げを食べている姿は、絵本でしか見たことないのですが。)

 

そして、江戸時代は、初午が寺子屋への入学の基準日になっていました。

天神机を持って、手習いのお師匠さまのところへ入門、という日だね。

また、地方によっては、子供が主役の様々な行事が行われました。

それくらい身近な存在だったんですね。

江戸の街に、多く見られるもの。「伊勢屋、稲荷に犬のくそ」とあります。

犬のうんちと並べられたんじゃ、申し訳ないですね。

 

中央区にも、稲荷神社はたくさん鎮座しています。

湊の鐵砲洲稲荷神社、築地の波除稲荷神社など、祭礼の日は人の波で埋まります。

「日本橋七福神めぐり」の中にも、笠間稲荷神社があり、小網神社や末廣神社は稲荷社に起源するといいます。

「銀座八丁神社めぐり」は、幸稲荷、銀座稲荷、朝日稲荷、宝童稲荷、あづま稲荷、靍護稲荷、豊岩稲荷、成功稲荷神社。

驚くほど多くのお稲荷様が、街を守ってくれていたのですね。

 

いなりずしは、年間を通して食べられ、季節に合わせて油揚げに包みこむ具材を変えることができる食品です。

江戸時代から、小銭でつまめるファストフードとして好まれました。

その「初午いなり」は、これから2月の行事として全国的に定着できるでしょうか。

 

実は私、大の油揚げ好き。

昼食を社員食堂で、「きつねそば、いなりずし、冷やっこ」の三品で、何年か過ごした時期があるんです。

初午でなくとも、食べちゃおう。おいなりさん。

オッと尻尾が、・・。   コーーン。