どうして人形町の街角に、クジラのオブジェ(写真)があるのだろう?
その昔人形町一帯が海であり、クジラが捕れたその単なるモニュメントかなとも思ってみたが、そこにはやはり人形とクジラとの関係について次のようなエピソードがあったのです。
江戸時代に人形町には市村座、中村座という江戸歌舞伎の小屋以外に人形浄瑠璃の糸あやつり人形「結城座」、手あやつり人形の「薩摩座」などの小屋があり、人形を製作する人形師も住んでいた。
この人形師達があやつり人形のバネに弾力に富んだクジラのヒゲを使い、人形の命とも言える微妙な首の動きを可能にしたのです。
そして現在の人形町という地名も、これらの人形を作る人形師や雛人形、手遊物などを商う店がたくさん立ち並んでいたところから、昭和8年(1933年)に正式な地名=人形町となったのです。