「もう行きました?」というのが2日初日以来の仲間内の挨拶に。かくいう私は同行者のスケジュール調整に手間取り、やれやれの後は今度は「何を着るか?」。これも芝居見物の楽しみのひとつとはいうものの・・・。というわけで漸く本日、先ずは第3部、3人連れで2列目のまん真ん中に収まりました。
正面玄関を入ると眼を惹くのは鳳凰をデザインした新しい絨毯。階段が減ったせいかロビーが広々と見えます。流石に杮葺落興行の最初の月、和服姿の方が一際多い。
開場を見ずに亡くなった芝居好きの丸谷才一氏が「新しい歌舞伎座には要望がいくつかあるがその一つは是非ロビーを広くしてご婦人方の着物姿が映える様にしてほしい。幕間に着飾ったご婦人方をみるのも芝居の楽しみのひとつ」と書いていらっしゃたのを思い出しました。
松竹さんの案内によると座席の幅が3cm、前後のピッチが6cm広くなったとのこと。早速感じを確かめてみることに。
確かに。確かに広いでしょう!これだと他の方の移動の際、立ち上がらなくてもよさそうです。隣の方の侵食する腕に悩まされることも少なくなるかも。・・・
次に今までのイアホンガイドの他に「字幕ガイド」が出来たというので、試してみることに。4月中は特別料金でレンタル料500円、「解説チャンネル」と「台本チャンネル」があり
「台本チャンネル」の方は役者さんのせりふと義太夫さんの語りの部分も表示されます。お馴染みの演目でも「え!こんな詞章だったのか!」と実は今日吃驚しました。(無知だった!だけです)そのうち英語バージョンも出来るとのこと。
歌舞伎グッズやお土産の売り場は凄い混雑。幕間が1回しかないので仕方ないかも知れません。新しい商品がたくさん増えているようなので次回の楽しみに。そうそう嬉しいことにトイレの数も飛躍的に増えましたよ。
さて、肝心のお芝居ですが、「盛綱陣屋」の子役、金太郎くんと大河くんがとても可愛く、かつしっかり演じていて、「初お目見え」の時からあっという間の成長振りです。「勧進帳」の四天王は2人のお父さんである染五郎さんと松緑さん、それに左団次さんと勘九郎さんという豪華版。杮葺落公演ならではの贅沢さです。4月公演のチケットは完売のようです。6月までは3部制、「見逃せない」演目ばかりでお小遣いを松竹さんに貢ぐ日々が続くことに。期せずして自然なダイエットが出来るという効果もあるかもですが。・・舞台との距離が以前より近くなったような気がしたのですが「寸法はすっかり建替前と同じ」ということなので新・舞台にかける役者さん方の熱気が伝わってきたのかも知れません。1年続く杮葺落公演是非ご覧ください。