先日、「富士五湖めぐり」をしてきました。
すっきりと晴れた空を背景に、本栖湖の湖面越しに、富士山が見事なバランスで存在していました。
近くの公園に咲いていた桜と合わせると、事あるごとにお目にかかる、千円札の裏面のデザインです。
何とはなしに、得をしたような気分。
そんな高揚感を持ちながら、銀行券つながりで、「貨幣博物館」に行ってみました。
ところは、中央区日本橋本石町1-3-1
日本の経済活動の心臓部である、今、がぜん注目の日本銀行本店。その前に位置する博物館です。
辰野金吾博士の設計による「日本銀行本店本館」が、江戸の金座の跡地に建てられていることは、よく知られています。
博物館前の江戸桜通りを通るたびに、入ってみたいと思いながらも、つい機会を逃してきました。
警備が厳しそうで、入館手続きも面倒くさそうで、そう思うと入館料無料にも関わらず通り過ぎていました。
でも、実際に入館してみると、展示の面白さに、ついついのめり込んでしまいました。
お金を眺めていると、不思議なほどテンションが上がるものなのですね。
「金じゃ、金じゃ、俺の金じゃ」と、悪役が紙幣をまき散らし、お金の海におぼれていくシーンは、どんな時代にも共通して設定できることです。
見ているだけで、悪役の気持ちがのり移り、アドレナリンが噴出するのが分かります。
「越後屋、おぬしも悪よのう。」
「いえいえ、お代官様ほどでは・・。」
「うは、うははは・・。」
二人の間に置かれた菓子折りからは、山吹色に小判が光る。
博物館の展示物から、そんなシーンも浮かんできます。
とても真面目な展示なのですが、見る方の想像力が勝ちすぎて、ついついあらぬ方向へと走り出してしまいます。
紙幣の偽造防止の技術は、今夜にでも会話のネタに使えそうなものばかりです。
そういえば、こんなにじっくりとお金を観察したことはなかったな。
歴史上の人物がその政策を行う過程を、貨幣という視点から解説がなされているため、新しい気づきがあるとともに、分かりやすいのです。
武将たちが、領土を守り、勢力を拡大するために、金・銀・貨幣をいかに有効に集め活用して行ったのか。
鉱山開発の技術とあいまって、戦略の要をなしていたことが分かります。
武将の神がかり的な行動も、確固たる経済力に裏打ちされて、はじめて実施できたのでしょう。
それにしても、展示品から歴史の流れを通してみると、要所要所で大量の金・銀が日本から国外に流出したことに気づきます。
それが可能であった日本の金・銀の莫大な産出量を思うと、「黄金の国」ジパングと謳われた輝きを、あらためて知ることができました。
貨幣博物館のギフトコーナーで、福沢諭吉の日本銀行券のフェイスタオルを購入しました。
(自動販売機で購入するんです。)
毎朝の洗顔時に、この一万円券を使い尽くしましょう。