中央区やさしい歴史講座「江戸の成り立ちと江東地域」が5月22日、区立女性センター「ブーケ21」で開かれた(写真)。中央区の歴史を学ぼうと企画した公開講座で、まち歩きボランティアガイド団体の中央区文化財サポーター協会が主催した。
講師は江東区中川船番所資料館次長の久染健夫さん。近世(江戸時代)研究者の視点から語る、歴史散歩の楽しみ方は参考になる。
地勢的な面から江戸の形成を紐解き、「首都・江戸」の町づくり、都市機能はどのように発展していったかについて、江戸の中心地であった日本橋・京橋・八丁堀・新川地域などを取り上げて解説された。江戸前期から市街地拡大にともなって隅田川東部の深川・本所地域も開発されていく。
延宝8年(1680)絵図『葛西志』によると、寛永18年(1641)桶町(現・八重洲辺)の火事で焼け出された本材木町(現・日本橋)の"元祖木場"が深川に移転した後の「木置場」が小名木川の南、隅田川沿岸に描かれ、その周辺は堀割が縦横に張りめぐらされている。同図で興味深いのは「富岡八幡宮」が海辺に面していた位置にある。現在の東京メトロ東西線の木場駅や東陽町駅付近は海の中だった様子にもみえる。
改めて周辺地域からみた中央区の歴史を知ることによって、265年にわたって築き上げられた都市江戸の奥深さと広がりを再認識させられた。@巻渕彰