ゆるキャラ、不思議キャラ、キモキャラが乱立する、マスコットキャラクターの世界。
警視庁のマスコット「ピーポくん」は、昭和62年(1987年)4月17日に誕生しました。
そのキャリアは、堂々とキャラ界における、重鎮の位置を占めます。
「親しまれ、信頼される警視庁」
「ピーポくん」は、人々の「ピープル」と警察の「ポリス」の文字を組み合わせて命名されたのです。
でも、ちょっと見、不可思議な生き物ですよね。
全身黄色で、耳が大きくて、角があって・・。
これって、かわいいのかな。
明確に区分すれば、個人的には「かわいいエリア」に入れたくない気持ちです。
中央区京橋3丁目5番1
地下鉄銀座線「京橋駅」1番出口から歩いてすぐ。
警察博物館があります。
その入り口に、大きなピーポくんが立っています。
にこやかに、子供を抱いた夫婦が近づきました。
ピーポくんを見た子供が、突然、泣き出しました。
身をよじって、逃れようとしています。
まるで、「なまはげ」に出会ったかのように、表情が引きつっています。
そうだよね、はじめて見たら、そう反応しますよね。
(結論、ピーポくんは、かわいいキャラではなかった。)
子供は、警察官の制服を着せられ、敬礼のポーズを取らされます。
嬉々としてはしゃいでいるのは、カメラを向けている両親だけ。
子供は、・・至極、迷惑そう。
コスプレに目覚めるには、まだ時間が必要だよね。
ほかに白バイ隊員の制服も用意してあるのです。
展示されている、側車付き白バイやヘリコプターに乗ると、やっと子供も笑顔があふれてきました。
さて、警察博物館、正式名称が「警視庁広報センター」というように、警視庁の歴史と活動が、多角的な視点から分類され展示されています。
テレビで、映画で見覚えのある品々が、ケースの中に並んでいます。
推理小説マニア・警察小説フリークには、夢中になれる博物館です。
実は私、今日訪れた目的は、佐川官兵衛の足跡を追ってのことなのです。
幕末、会津藩士として生を受け、戊申戦争では「鬼の官兵衛」と謳われた剛勇の士。
NHK大河の「八重の桜」では、中村獅童が演じています。
戦後、会津藩は下北半島に斗南藩として移住しますが、廃藩の後、警視庁初代長官の川路利良の求めに応じ、旧藩士300名を伴って警視庁に奉職します。
明治10年(1877年)の西南の役に際し、警察官で組織された一隊を指揮し出陣します。
西郷軍との遭遇戦で銃弾を受け、壮絶な一生を終えるのです。
警察博物館に、彼の足跡はあるのでしょうか。
「西南の役関連資料」に「佐川官兵衛」の名を見出すことができました。
胸を突き上げてくるもので、しばらく動けませんでした。
平成23年(2011年)の震災時、私は新卒採用を担当していました。
『すみません。内定を辞退させてください。
震災を受けて、自分が何をすべきか考えました。
被災地での警察官、消防士の活動に、胸が熱くなりました。
自分もそういう仕事をしたいと思いました。』
彼は今、警察官として、第一線で活動しているんだろうな。
活き活きとした表情で。