中央区内は街を散歩していると神社仏閣がビルの谷間、時にはビルの1階など、あらゆる所に点在していることに気付かれることでしょう。
東日本橋2丁目に位置する薬研堀不動院もその一つです。
都営浅草線の東日本橋駅を降りて、浅草橋方面に歩く途中のマンション群の間に薬研堀不動院がひっそりと佇んでいます。
厄除けの大師として有名な川崎大師の東京分院で、目白不動・目黒不動と並び「江戸三大不動」として知られています。
規模としては大きくはないものの、その歴史は古く、豊臣秀吉の軍勢を逃れる為に、紀州、根来寺の僧侶が尊像を守る為に葛篭に納めて、それを背負って隅田川まで来て堂宇を建立したのがはじまりだと言われています。
その後、佐藤泰然がこの地で蘭方医学塾和田塾(後の順天堂大学)を創設したり、また縁あって講談発祥の記念碑がこの地に建立されました。
寺院でお参りをしようと、階段を上っていくと、毎月寺院で行われている講談と写経の案内が出ておりました。
●毎月15日:写経会 第1回目14:00、第2回目18:00(参加費1000円)
●毎月28日:不動様の縁日・講談の会(入場無料)
講談とは何なのでしょう?!
Wikipediaでは、「演者が高座におかれた釈台と呼ばれる小さな机の前に座り、張り扇でそれを叩いて調子を取りつつ、軍記物や政談など主に歴史にちなんだ読み物を、観衆に対して読み上げる」日本の伝統芸能の一つとの事だそうです。
赤松清左衛門が浅草見附辺りで『太平記』を講じたのが江戸講釈の始まりと言われております。
新聞もテレビもなかった昔は、このような講談が人々の重要な情報源となっていたのでしょう!
やはり百聞は一見にしかず、どんなエンターテインメントなのか、You Tubeで講談を確認してみる事にしました。
「講談」と入力すると、映像がいくつか出てきます。
若い演者からベテランの演者まで幅広くいらっしゃり、若い演者に至っては講談は扇をドラムスティックのようにリズムをとりながら、賑やかな講談を繰り広げ、どっと笑いが沸く瞬間もあるくらい。
恐らく人気の演者さんにはファンも多かったことでしょう。
薬研堀不動院では、昭和57年に一龍斎貞花師匠による第1回奉納講談「山内一豊の妻」から、毎月28日奉納講談が続いています。
今度はやはり生で講談を聴いてみたいと思います!
皆さんも薬研堀不動院でしばしタイムスリップはいかがでしょうか?
所在地
〒103-0004
東京都中央区東日本橋2-6-8
TEL/FAX 03-3866-6220
交通
地下鉄・都営浅草線「東日本橋駅」下車、B3出口 徒歩約3分
地下鉄・都営新宿線「馬喰横山町駅」下車、A4出口 徒歩約5分