晴海客船ターミナルではおなじみの客船『ふじ丸』が、6月末のクルーズを最後に引退することになりました。『ふじ丸』は商船三井の所有、日本チャータークルーズが運航する日本初の本格的豪華客船で、就航した1989年(平成元年)はクルーズ元年とも呼ばれました。25年間で地球70周を超える距離を航海、50万人に利用されたそうです。純白の船体にオレンジ一色のファンネルマーク、シックで美しい姿が見られなくなるのは寂しいかぎりですね。
『ふじ丸』は商船三井が1987年、三菱重工神戸造船所に発注、翌年9月10日に進水式が行われました。船名は公募されたものから、当時の石原慎太郎運輸大臣が命名、石原夫人が金色の斧で支綱を切ってシャンペンを割り、『ふじ丸』が誕生しました。1989年に入り、試運転を経たのち、4月から日本初の大型クルーズ客船として活躍が始まります。総トン数は23,235トン、全長167m、幅24m、航海速力18ノット、乗客定員600名。8層のデッキにホール、シアター、プール、大浴場などがあり、船級は国際遠洋、船籍港は東京です。最近では主にチャータークルーズで活躍していました。
『ふじ丸』は6月30日夕刻、晴海客船ターミナルで「ありがとう! ふじ丸」セレモニーののち、初島へ最後のクルーズに出港、7月1日に帰港したのちはドックに入り、おそらくは外国に売却されるといわれています。名前が変わっても、いつの日かまた晴海に寄港して、美しい姿を見せてほしいものですね。