知人から、笹の葉に包まれた、三角ちまきをいただきました。
「裏山の竹が、青々と立派な笹をつけたので、ちまきにして、おすそ分け。」
笹の香りが、食欲を刺激します。
夏の食品保存の知恵として、笹の持つ殺菌作用は広く知られています。
また、竹の驚異的な成長の速さに、人は強い生命力を感じ、邪気をはらう神聖な植物として捉えてきました。
「十日えびす」の福笹は、商売繁盛の縁起物です。
そしてこの時期、笹竹は七夕飾りの土台となります。
七夕飾りといえば、仙台勤務の経験がある私には、「七つ飾り」といわれる小物が頭に浮かびます。
短冊(たんざく) 学問や書道の上達を願います。
巾着(きんちゃく) 節約、貯蓄で商売繁盛を表します。
投網(とあみ) 豊漁、豊作、幸運を寄せ集めます。
屑篭(くずかご) 清潔、倹約を表します。
折鶴(おりづる) 家内安全、健康長寿を表します。
紙衣(かみごろも) 織姫が神に捧げた衣で、厄除けや裁縫の上達を祈願します。
吹流し(ふきながし) 織姫の織り糸を象徴し、飾りの主役です。
それぞれに深い願いが込められており、いわれを知って七夕飾りをながめると、感動もひとしおです。
季節感が薄くなってきた東京で、きちんと七夕の行事が続いているのは、幼稚園・保育所でしょう。
園の短冊には、ほほえましい願い事が踊っています。
それから、駅のイベントコーナーにも飾られていました。
マンションの入り口にも見つけました。
七夕は、七夕祭りとして地域や商店街の大きなイベントに成長している一方で、意外に街中で見つけ難くなっています。
酔っぱらったお兄ちゃんたちの、かっこうの攻撃目標になってしまうからなのでしょうか。
猫じゃらしに操られる猫みたいに、ぴょんぴょん飛びついているおバカな姿をみたことがあります。
商店街でも「お中元セール」と重なってしまうことが、七夕の行事が薄れる一因なのでしょう。
銀座なら華やかな七夕飾りがあるのではと思い、有楽町から日本橋方面を目指して、目抜き通りを歩いてみました。
あらためて気づいたことは、インタナショナルなブランド店が数多く進出しており、「あえて竹飾りは似合わない」ということでした。
「老舗デパートはどうかな。」との思いで、銀座三越さんへ。
「七夕を楽しもう!!」 いいですね。期待どおりです。
「7月7日はエンゲージメントデー。」 ふむふむ。
何か、「2月14日」を思い浮かばせるような仕掛け。
エントランスの竹のオブジェは、大きな円を形つくり、素材の柔軟性を際立たせて素敵です。
用意された短冊は、竹のチップで作られた竹紙です。
短冊に願い事を書いて、結びます。
どんな願い事? 秘密です。
洋菓子コーナーで、星がきらめく七夕スイーツをお土産に購入しました。
そして今夜は、七夕に食べると大きな病気にかからないといわれる食べ物で〆ましょう。
平安時代から続く行事、「七夕そうめん」です。