中央区築地。
都心のど真ん中にあって、食、とりわけ海産物の聖地であることは明々白々。
しかし、『安くて旨い』魚を求めて築地を訪れたとしても、市場内はプロ御用達、
定食屋よりは、寿司屋で築地を満喫される方が多いと想われる。
『けれど、せっかく築地に来たのだから、もうちょっと魚の違う食べ方をしてみたいな』という方に
今、大人気の食堂がある。
築地場外案内所「ふらっと築地」裏手、Re-Fish食堂。
水産庁の上田勝彦氏のもと
「魚を食べる事」 「魚の大切さを伝えていく事」 「魚を知る事」
すべてがRe-Fishアクションである
という志を共にする
築地市場関係者、割烹・居酒屋・食堂の店主、海洋大学関係者、グルメメディア等
とにかく『魚・LOVE』な人々が集う活動展開のひとつで、
8月まで(8月のいつまでかは定かではない)の期間限定だ。
店長は森山さん。
千葉県富津市から車で通勤している。
刺身のツマにする大根の桂剥きする手際を惚れ惚れと眺めていると
流れる手は止めずにお話くださった。
ツマを作ることひとつとっても、特別じゃない、普通のことやってるだけ。
スライサーが無い時代はこうしてたでしょ。
今の『食』は与えられる文化に慣れ過ぎているから
味覚の形成が無く、味の奥深さを知らずにいるのでは?
新鮮だから、高価だからって美味しい訳じゃない。
もっと自分の舌を信用したらいい。
だからホワイト・ボードの
「魚にまじめな定食屋です」の下に書かれている食堂のメニューには
聞きなれない、りゅうきゅう丼(大分)、湯煮(北海道・東北)、などあるが
何のことはない、郷土の漁師料理なのだ。
しかし、向き合う心意気が伝わり、何気ないものがすべて美味しい。
定食もいいけど、ここは築地。
昼には仕事終いした市場の人に混じって
日の高いうちから、魚の肴をツマミに、一杯やるのも乙なものです。