夏の夜がしだいに深まるころ、そびえ立つビル群の明かりが輝きを増してきます。
その谷間から、盆踊りの楽曲と笛・太鼓のお囃子が流れてきます。
バルコニーから身を乗り出しても、ビルの陰で会場は見えません。
きっと、小学校の校庭や、寺院の広場で、地域の人たちが踊りの輪を作っているのでしょう。
お囃子を聞いていると、自然に歌が口をついてきます。
「ひぃとが輪になる、輪が花になる」
ああ、この歌詞って、いいな。
人が集まって、踊りの輪を作って、花のように広がっていく。
ちょうど花火が、夜空に大輪の花を開かせる姿に重なります。
滝田常晴さんの作詞に、藤田まさとさんが補作詞してできたものと聞きます。
学生生活を送るために上京した年に、何を血迷ったか、盆踊り講習会に参加した事があります。
その時のレッスン曲の一つが、この『大東京音頭』でした。
相当本格的な講習会で、参加者はベテランの方々、浴衣をキリリと着こなしています。
学生は私だけ。
「スジがいいですね。お若いですから、このまま続ければ、名取も・・・」
社交辞令であることは分かっています。
でも思えば、盆踊りって、私の身近にありました。
福島県会津若松市の盆踊りの中心曲は、エンヤーで歌が始まる「会津磐梯山」
遥かに仰ぐ磐梯山は、会津の地を潤す「宝の山」
家族や、子供会の仲間と連れ立って、街の目抜き通りにしつらえられた櫓を囲みます。
通りの端から端まで輪が広がり、時間が経つにつれて二重にも三重にも増えていきます。
振付はシンプルですから、初めての人でも、半周も回れば、十分サマになります。
「おはら庄助さん!なんで身上つぶした!」
このお囃子のところは、近くで踊っている子と張り合って、怒鳴るように叫んでいました。
櫓の周囲や商店の軒ごとに下がる提灯が、今思うと、とても明るく感じたものでした。
さて、ここ中央区も夏祭りや花火大会のシーズンは、盆踊りの季節でもあります。
「チュチュッとチュ~チュッと中央区 ♪」
いよっ、出ました。中央区音頭。
「これがお江戸の盆ダンス」
ダンスと言い切っちゃうんだから、ハイカラだね。
チュチュッとのリズムが、かわいいですね。
そして、これから行われる盆踊りは・・と。
8月23日(金)から24日(土)に行われる、浜町公園がねらい目です。
その名も「大江戸まつり盆おどり大会」
23日には、17時からオープニングパレードもあるんですよ。
チュチュッとの振りを、かっこよく決めるチャンスです。
浴衣着ていきましょう!!