これらの写真と似た様な場面をテレビドラマでご覧になったことはありませんか?
そうです、高視聴率をキープしているTVドラマ「半沢直樹」が勤める「東京中央銀行」の本店として時々登場するビルです。
後ろの高層ビルは三井タワー、前のビルは三井本館です。
三井本館は重要文化財に指定されている、外装の柱に非常に特徴ある建物で歴史もあり、格調も高いのでドラマの登場銀行の本店のロケ地として使うのにもってこいだったのでしょう。
今回は、国指定重要文化財の三井本館のご紹介です。
当ビルは旧三井本館が関東大震災で被災したため、三井合名理事長・團琢磨が関東大震災の2倍の地震にも耐えられるビルを建てるということで、米国トローブリッジ&リヴィングストン事務所の設計、ジェームス・スチュワート社の施工で総工費21百万円(現在価値では約1千億円)をかけ1929年に竣工した7階建のビルです。
ビルのコンセプトは「壮麗」「品位」「簡素」で、アメリカの新古典主義的なデザインが取り入れられ、
外側の柱はローマ風のコリント式大オーダー列柱(オーダーとは階を貫いて聳える柱)となっています。
このコリント式オーダー列柱が当ビルの最大の特徴で、格調の高さを生み出していると思います。
内部にも外部と同様のコリント式列柱があり、高い天井を支えて広々とした空間を醸し出しています。又、内装も大変豪華で格調高く一見の価値があります。
更に、当ビルに入っている信託銀行の地下には米国モスラー社製の金庫があり、この扉は重さ50t、厚さ55cmで現在は貸金庫として使われています。
当時金庫の扉を搬入するに当たり、重量制限の為日本橋上を運ぶ許可が出ずに、船で日本橋川を新常盤橋際迄運んで陸揚げしたそうです。
当ビルの近くには、やはり重要文化財の日本銀行、東京都選定歴史的建造物の三越があります。三越やコレド室町などにお買い物・お仕事で来られた際には是非これらの歴史的建物をご覧下さい。