9月までの若手中心の花形歌舞伎と打って替り秋の本格芝居シーズンを迎えた10月の歌舞伎座は幹部俳優勢ぞろいの「義経千本桜」の昼夜通し公演となりました。今日は3日目、杮葺落とし興行の人気はいささかも衰えないようで「大入」の札が眼を惹きます。10月に入ったとはいえ気温は28度ですすが劇場内は着物姿の方が増えてきました。夜の部の最初の幕「小金吾討死」は歌舞伎の立ち回りの中でも華麗さで知られていますが、演じる梅枝さんは初役。先月の薄雪姫を演じていた人とは思えない凛々しさです。「すし屋」の幕間で隣の方に声をかけられました。伺うと90歳になられるそうで、歌舞伎座が建替休場に入った時は「もう無理かな」と思っていたが、新開場でまた舞台をみることが出来て本当に嬉しい!と仰っていました。
初代の吉右衛門さんや伝説の十五代目羽左衛門さんも「生」でご覧になっているそうで「顔も勿論ですが何といっても口跡と「間」がよかった」とのこと。「菊吉爺」とはいうものの何とも羨ましい。うんと長生きして「孝玉婆」と私も呼ばれたいものです。「四の切」は70歳を超えた菊五郎さんです。狐のあの軽やかな動きをどうするのかと興味津々でしたが流石に手馴れたお役で余りお歳を感じさせず、「海老反り」には驚嘆。
幕間にのぞいた売店では2014年「歌舞伎カレンダー」(1600円)が登場していて今年も残り少なくなったのを感じさせられました。昼の部は「鳥居前」から「道行」まで。幹部俳優さんたちの熱のこもった舞台を是非ご覧ください。
千穐楽は25日 お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489 (10:00~18:00)今月の夜の部は16:15の開演なのでお間違いなく。