今年の秋は猛ダッシュで行ってしまい、もうすっかり冬。Tーシャツからいきなりダウンの変化には対応しきれないこの頃。
今日は「女流義太夫演奏会」-女たちの忠臣蔵を聴きに「お江戸日本橋亭」さんにお邪魔しました。落語好きの友人から「こじんまりとして落語を聞くのにはとてもいいサイズのホール」と聞いてはいたものの足を踏み入れるのは初めて。平土間20席、椅子席50~60席のアトホームな印象でお客さん同志も馴染みの方が多いらしく案内の方と「やあやあ」という会話が聞こえてくるのも何かいい感じ!です。
人の思い込みというのは強いもので私は文楽公演は見ているものの「義太夫は太い男性の声でなければ・」と先週まで思いこんでいました。国立劇場が会員向けに行っている講座で初めて「女流義太夫」の「堀川」を聴き圧倒され馬鹿げた私の先入観は見事に覆された次第。
「女たちの」と謳ってあるだけに演じられるのは「六段目の身売りの段」「八段目の道行」「九段目の山科閑居」です。何と言っても「舞台が近い」まるでお座敷で演じられる芸をみているようで贅沢、贅沢。人間国宝の竹本駒之助さんと人気の若手竹本越孝さんの息もつかせぬ掛け合いも見事であっという間の2時間でした。江戸期には風紀を乱すとしばしば取締りの対象となった「娘浄瑠璃」「女義太夫」ですが、明治期の漱石や志賀直哉がファンだったというのもよく知られています。この時代のファンクラブの「どうする連」「追っかけ連」が、
今も生きている「追っかけ」の語源だそうです。「食わず嫌い」はやはり損ですね。
お江戸日本橋亭さんでは落語芸術協会の定例寄席の他、講談、義太夫、新内、小唄、長唄等古典芸能中心にバラエテイに富んだ催し物を行っています。www.ntgp.co.jp
お江戸日本橋亭:日本橋本町3-1-6日本橋永谷ビル1F TEL3245-1278
銀座線三越前駅A10出口より2分、総武線新日本橋駅2分