今年も残り少なくなってきましたね。中央区にゆかりのある方々にとっては、きっと様々な思い出が交錯していることでしょう。
クリスマスが終わると、お正月の準備ですね。大掃除をしたり、おせち料理の準備をしたり、忙しい年の瀬です。そして、大晦日は皆さんどのようにお過ごしになるでしょうか。最後まで慌しく新年の支度に追われる人、年末年始もお仕事の人、そしてのんびりと過ごされる人・・・・それぞれに一年を振り返る日です。
大晦日といえば、〝年越し蕎麦〟を食べる方も多いでしょう。もともと、〝年越し〟とは〝節分〟のことで、この日に無病息災を祈って縁起のいい蕎麦を食べたのが始まりということです。かつて旧暦では〝立春〟こそが新年だったので、前日の〝節分〟が重要視されたのでしょう。後に12月の最終日が〝年越し〟となり、太陽暦の導入とともに全国に定着しました。今では、〝除夜の鐘〟とともに、大晦日の風物詩ですね。
実は、大晦日にはもう一つ大事な伝統行事があります。神社で〝大祓〟(おおはらえ)のお参りをすることです。6月の晦日の〝夏越の祓〟(なごしのはらえ)とともに、日頃の穢れを落とし、新年に願を託す重要な儀式です。奈良・平安の時代から行われてきました。この日は、厄落としになるという〝茅の輪〟をくぐり、身を清めます。そして、自らに代わって穢れを落とすことを託して〝人形〟(ひとがた)を奉納するのです。
そもそも、神社にお参りする意味は、日頃の加護への感謝を奏上し身の過ちや穢れを払い落として反省することにあります。いきなりお願い事をするものではないとされています。
その意味で、〝大祓〟(おおはらえ)はむしろ〝初詣〟よりも意味深いとも考えられます。
中央区にもこの儀式を執り行う神社がいくつもあります。ぼくの場合は、これまでに〔波除神社〕〔鐵砲洲稲荷神社〕〔小網神社〕などでこの行事に触れ合いました。いずれも歴史と伝統に培われた風格と厳かさに包まれ、何だか見の引き締まる思いがしました。
皆さんも是非、一年の締めくくりに近くの神社に参詣されてはいかがでしょうか。混雑する初詣の境内と異なり、ゆっくりとお参りすることができますよ。
では、今年一年お世話になりありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。