平成26年の初日の出を、連なるビルの遥か遠くに仰ぎました。
まぶしい輝きを放ち、窓いっぱいに差し込んでくる新春の光。
「日の出の勢い」そのままに、ぐんぐんと駆け登っていきます。
今年も素晴らしい出来事、出会いがたくさんありますように。
楽しみにしている新春の行事の一つに、駅伝があります。
なかでも、今年90回を重ねた、大学箱根駅伝。
父親が大ファンで、毎年のようにTV中継を見ていました。
あるとき、「子供が箱根を走るのが夢だったんだがな」とポツリ。
「いや、いや、いや」
選手たちの親御さんの気持ちを思い描くのはいいけれど、期待を私に乗せてしまうのは、ちと無理があります。
正月の2日、3日にTV中継を見ていると、何か突き動かすものがあって、自分も走りだし、応援せずにはいられない気持ちになります。
ここ数年は、復路のコースとなる、銀座から日本橋にかけての中央通りで応援しています。
最終ランナーの走る10区。ゴールへの最終コーナー。
優勝を競う各校のデットヒート。熾烈なシード権争い。
日本橋周辺は、中継映像が絵になる格好のポイントですから、多くの観戦者が集まります。
新春のきらびやかな飾りで、華やぐ通り。
母校ののぼり旗を組み立てる人。
携帯テレビで途中経過に食い入る人。
初売りの大袋を持って応援場所を探している人。
応援団の掛け声や、ブラスバンドの響きも聞こえてきます。
その熱気が楽しくて、のぼり旗を目印に人垣を分けて進みます。
選手たちは、目の前をあっという間に走りすぎます。
選手の名前や大学名を2・3度呼びかけるくらいの間です。
この一年、想像を超える練習をしてきたんだろうな。
必死の思いでタスキを渡し、崩れるように身を投げ出す選手。
直前でメンバーから外され、サポートに回った選手。
それでも、人より大きな声で応援している選手。
途中でタスキをつなぐことができなかったチーム。
力を出し切れず、悔し涙でゴールする選手。
本当に悔しいだろう。
だけど、顔を上げ、胸を張ってゴールしてくれ。
一年間流してきた汗の分、とても輝いているのだから。
中学時代の駅伝大会で、バイクで伴走し気合を入れていた先生が、時折いぶかしげに後ろを振り向いていた。
自転車に乗った男性が、一定の距離を置いて、ずっとついてきた。
ゴールして体をくの字に折り曲げ、ハアハアあえいでいる私に、自転車から降りて「大丈夫か」と覗き込んできた。
顔を赤くした親父だった。
「うん。大丈夫」 ニッと笑った。