3月20日、地下鉄「三越前」から地上に出るとデパート壁面の大きな吊り広告「越後屋、おぬしも春よのう」
時代劇ファンならずともニヤリとさせる遊び心満点の洒落たコピーです。流石、大店越後屋さんの余裕だなとちょっと嬉しくなって歩を進めると通りの向かい側に新しい景色が見えてきました。
本日グランドオープンのコレド室町2,3です。生憎の雨にもかかわらず凄い人出。どんなお店が入っているのかも気になるところですが、一路お目当てにまっしぐら。日本橋地区初めてのシネコン「TOHOシネマズ日本橋」へ。入っているのはコレド室町2。2階がエントランスでこちらでチケットを買って、ロビーで待っていると上映開始10分前に各上映フロアへの案内開始アナウンスがある。何しろ9スクリーンもあるのですよ。入場開始のアナウンスを聞いて飲み物オーダー(注意:上映フロアでは飲み物は販売していません)。3階から5階が上映フロアです。私は5階へ、玉三郎さん主演・演出・編集の泉鏡花作「日本橋」の映画版。一般公開は21日からですが、ビルのオープンに合わせての先行上映なのです。2012年12月の日生劇場の舞台は見ているのですが、舞台と映画とどのように違うのか一度見てみたいと「シネマ歌舞伎」の案内を見る度に思っていたのでちょうどいい機会と駆け付けた次第。歌舞伎ではないので「グランドシネマ」と銘打って「観客のいない劇場で全編撮影」したのだそうです。玉三郎さん以下キャストは全員舞台と同じ。見終わっての感想は当たり前ですが、「舞台」と「映画」は別なものです。アップが多くて迫力満点。女優さんにはきついだろうなと思うこのアップですが、玉三郎さんそれでも美しいのは流石です。着物の柄や質感、お湯のみ等の小物の絵付けまではっきり見えるのは映画ならではといえるかもしれません。劇場での客席の出を待つ期待感の盛り上がりや演技への反応などがないのは物足りない感じがしますが、小気味よい啖呵を聞いて思わず拍手しそうになるのは困りました。ご覧になるのは今のうちがおススメです。新しくなった日本橋室町で「日本橋」を楽しむーというのもなかなかですよ。時間があれば何回も話に登場する「西河岸のお地蔵様」にまで足を延ばされるのもいいかもしれません。次回はゆっくりお店探訪に出かけたいと思っています。