新開場から1年を迎えた歌舞伎座は変わらぬ賑わいを見せています。今月の話題は何といっても「三津五郎さんの復帰」です。病に倒れてから7か月振りに歌舞伎座に戻ってきました。八月納涼歌舞伎以来です。演しものは「壽靭猿」。花道に三津五郎さんが登場すると満員の客席から大拍手。少し細くなった三津五郎さんとこの大拍手を聞いているとウルウルしてきました。隣の席の方もハンカチを取り出しています。一段と立派になった息子の巳之助さんが奴を、女大名を又五郎さん、そして動きの度に拍手が起きる子役が演じるお猿さんの可愛いこと。歌舞伎界屈指の踊りの名手三津五郎さんの病後とは思えない切れの良いお元気な姿を見ることができるのは本当に幸せです。今月は昼の部だけで大事をとってしばらくお休みとのこと。他の演し物は開場一周年記念の舞踊「壽春鳳凰祭」鳳凰祭を記念して新しく作られた華やかな舞踊で舞台美術は松尾敏男先生という豪華版です。最後に坂田藤十郎さんが「一世一代」で勤める「曽根崎心中」。お初上演を1300回以上という藤十郎さんのお初を舞台で見られるのもこれで最後かと思うと感慨深いものがあります。それにしても82歳の藤十郎さんの若さといったら。・・・・
松竹が歌舞伎座の経営を始めたのは第2期歌舞伎座となった大正3年(1914)。座紋の鳳凰丸のアイデアは第一期の座主であった福地桜痴ですが、彼は池之端の邸宅を新築した折、座敷の釘隠しとして使われた法隆寺ゆかりの鳳凰丸を気に入って転用して座紋に定めた(「歌舞伎座五代})のだそうです。
夜の部は「一條大蔵譚」「女伊達」「髪結新三」です。
仁左衛門さんの6月復帰も発表されました。あとは襲名が延びている福助さんの回復を待つのみです。
4月歌舞伎は26日まで
お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10:00~18:00)
夜の部の開演は16:40です。