「見でいがっせ」「見でいがんしょ」「見でったらいいばい」「見でげぇ」 ・・・。
福島県は広いです。
桜の開花時期さえも、太平洋沿岸と奥会津とでは、ひと月以上も離れているといいます。
「見てね、来てみてね」というお誘いの言葉も、地域や年代によって、たくさんの変化形を持っています。
気候・歴史・文化も多様で、それだけ豊かなおもてなしの仕方があるのです。
「MIDETTE (ミデッテ)」は、「日本橋ふくしま館」の愛称です。
「見でって」。うん、福島県の共通方言らしい響き。
なんだか、心があったかくなるような、なまりです。
4月12日に、福島県の首都圏情報発信拠点「日本橋ふくしま館」がオープンしました。
高校生までを過ごした福島が懐かしく、オープン翌日の日曜日に行ってみました。
場所は、中央区日本橋室町4-3-16。
JR神田駅東口から、中央通りを日本橋に向かって5分ほど。
東京メトロ銀座線「三越前駅」A8出口からだと、中央通りを神田に向かって3分ほどです。
おっ、入場待ちの行列ができていました。
スタッフの方に聞けば、初日は数百名の列になったといいます。
テレビ・新聞も、トピックスとして取り上げていました。
入口右手の実演コーナーは、薄皮まんじゅう。
帰省のお土産に喜ばれたお菓子が、幾種類も並んでいました。
野菜コーナーに積まれた、みずみずしい果物・野菜は、見ていると嬉しさが込み上げてきます。
タラの芽はてんぷらで。姿のいいアスパラガスは茹でて、えごま味噌かマヨネーズで。トマトきゅうりは、氷水で冷やして丸かじり。
生産者が自信を持って、東京日本橋に送り出した商品なのでしょう。
食材を見ているだけで、食べ方まで想像してしまいます。
そろいのユニフォームで声かけをしているスタッフさんに聞けば、一番うまい料理法を教えてもらえますよ。
民芸品やキャラクターグッズも揃っています。
奥まった空間にある飲食コーナーでは、日によって、浪江焼きそばや会津ラーメンなどが出展されるそうです。
驚いたのは、日本酒コーナーの充実ぶり。
地元でも手に入りにくい銘柄が、ずらりと揃っていました。
案内ポスターを見れば、平成24年度の全国新酒監評会で福島県の酒が、金賞受賞数日本一になったといいます。
雪の残る山肌が輝きを増し、雪解け水がバシャバシャと勢いよく水路を駆け下る季節。
鮮烈な伏流水が、豊かに湧き出る風土。
米と水と風土が良ければ、そこには美味い酒が育まれます。
小学校までの道の途中に酒蔵があって、時期になると気持ちがふわっとなる香りが漂っていました。
同級生には造り酒屋の娘さんもいました。
大人になって、今、この銘柄のラインナップを見るのは、実に楽しいものです。
店内を走り回りながら、元気な声でお客さんに話しかけているスタッフのおじさんがいました。
この春まで葛西で営業していたアンテナショップ「ふくしま市場」の、お馴染みさんと店長さんのようです。
お馴染みさんは、「ふくしま館」のオープンに合わせて、日本橋に足を運んだとか。
一生懸命の店長さん、きっと葛西で、素敵な人間関係を築いてこられたのでしょうね。
そんなことも嬉しくて、こだわりの品々をたくさん購入してきました。