4月下旬に入り、浜離宮恩賜庭園の牡丹園では、いよいよ "百花の王" "花王"と呼ばれる、牡丹が見頃を迎えた。
園内の牡丹は60種約800株とされる。
牡丹は中国原産のボタン科の落葉小木。
同じ科の草本の芍薬(シャクヤク)はそれより遅れて咲く。
緑溢れる4-5月に、直径20㎝におよぶ大輪の花を付ける様は華麗で、庭木の女王の名にふさわしい。別名「富貴草」「深見草」、英名は「Peony(ピオ二-)」。
品種改良の歴史が長く、園芸品種のバリエーションも非常に多い。
花の咲き方は、「一重咲き」「八重咲き」「千重咲き」「万重咲き」「平咲き」「抱え咲き」「獅子咲き」と多彩。
花色も、紫・赤紫・黒紅・紅(赤)・薄紅・白・黄と変化に富み、「覆輪(外縁部が地と違う色で縁どられているもの)」「底赤(花弁の底部が濃い紅色)」「絞り」といった花柄も見られる。
花期として一般に見られるのは "春咲き" の「春牡丹」。
この他、冬と春に咲く "二季咲き" を、通常、春に出来た第1の蕾を摘除し、夏に葉を切り取り、第2の蕾を発育させ、晩秋から冬に開花させる「寒牡丹」と、
"春咲き" の品種を人工的に温度調整し、1-2月に開花するようにした「冬牡丹」がある。
尚「牡丹華(ぼたんはなさく)」は七十二候のひとつ。
二十四節気の「穀雨」の末候にあたり、4月30日~5月4日頃に相当。