「図書館で司書さんが1年間に手にする、あるいは読む本は、どれくらいの冊数になるんだろう。」
返却された本を手際よく書架に並べている司書さんの姿を見ながら、ふとそんな事を思いました。
ネット情報が氾濫する昨今、キーは叩いても、本を読んでいる暇などない状況にあって、「活字離れ」は出版不況をも引き起こしています。
『全国書店員が選んだ いちばん売りたい本』
このキャッチコピーが目に飛び込んできたとき、思わず、「オオッ」と前のめりになりました。
書店員の投票によって選ばれる「本屋大賞」。
新刊を扱う書店員だからこそ、売り上げの動向も押さえた、旬なチョイスができるのですね。
では、図書館司書が選ぶとなると、どうなるでしょう。
新刊に限らない、さまざまなジャンルからのエントリーがあるでしょうね。
長く実績を残してきた作家さんに、再び日の目が当たるかもしれない。
絵本や図鑑に票が集まるかもしれない。
思いもよらない、固めの本が選ばれたりすることも・・。
中央区内の区立図書館は、3館あります。
・京橋図書館 (築地1-1-1)
・日本橋図書館 (日本橋人形町1-1-17)
・月島図書館 (月島4-1-1)
3館とも、複合施設の中にあるのが特徴です。
京橋図書館は、中央区役所の地下1階・2階。
日本橋図書館は、日本橋小学校の5階・6階。
月島図書館は、月島区民センターの3階です。
私は、地域資料を探すときに、図書館カードを利用します。
インターネットで気軽に検索できる時代ですが、書庫の匂いがなんとなく伝わってくる本を、重みを感じながらページをめくる感覚は、厳かな儀式のようで心なしか背筋がすっと伸びます。
街歩きの途中で、ひょいと立ち寄ることもあります。
今見てきた街中のシーンを、タウンガイドなどの活字で追体験することも、なかなか興味深いものです。
閲覧席が空いていたりすると、ラッキー。
中央区の図書館には、椅子の展示室のように、さまざまな種類が置かれています。
この椅子の種類の多さも、お気に入りの一つです。
図書館内は決められた場所以外「スマホ・携帯は使用禁止」の掲示があるのですが、奥の書棚の陰になる椅子に座ったおじさんは、ひたすら指でピコピコ。
じーーっと見ていたら、視線を感じたらしく、そっとポケットにしまい込みました。
日本橋図書館は、さまざまなテーマで展示をしています。
先日寄った時にも、「いちおしの児童作家、ちゅうもくの絵本作家」など、関連図書をならべて紹介していました。
館報の「来!BuRaRi にほんばし」は、概ね3か月おきに発行されています。
バックナンバーを集めてみると、毎号、職員の方々の思いの込められた面白い紙面に出会えます。
最近、「読んでもらいたい本を紹介しあい、どの本が一番読みたくなったか」を競う、ビブリオバトルがひそかなブームになっていると聞きます。
「知的書評合戦」とも呼ばれています。
他の人にも勧めたくなるような本に巡り合えること自体、とても幸せなことです。
実は私、司書の仕事も魅力的だなと思った時代もありました。
しかし、古書の粉じんでアレルギー反応が出て、咳が止まらなくなるきつい目に合い、その道を断念。
司書の方は、古書の粉じんにもめげない、ひたすら本に強い人のはずです。
読書のプロが選ぶ、図書館司書大賞。
その大賞に輝いた本ならば、ぜひ手にしたいと思いました。